やけどや肌荒れ、アトピーやニキビなどの治療薬として古くから幅広く利用されてきた馬油。
ここでは馬油の薄毛への効果と、正しい使い方、デメリット、馬油の選び方について見ていきたいと思います。
馬油の髪や頭皮への影響、効果
髪や頭皮に良く、薄毛対策に効果があるとされたびたび名前があがる「馬油」(まぁゆ・ばぁゆ)ですが、具体的にはどのような影響、効果があるのでしょうか。
馬油とは?
馬油とは馬の脂肪を原料とする動物性の油のことであり、オレイン酸やリノレン酸等の肌の炎症や乾燥を防いでくれる不飽和脂肪酸を多く含んでいます。
馬油と人間の皮脂の構成が非常によく似ていることから、塗ると肌によく馴染み、有効成分がしっかりと浸透します。
市販されている馬油では、日本で初めて馬油を商品として売り出した株式会社薬師堂の「ソンバーユ」が最も有名です。
ソンバーユは中国でも大人気で、日本に観光に来た方々が大量に買い占めたりすることで、今では手に入りにくくなっている地域もあるほどです。
フケの予防が薄毛に効果的
ソンバーユの商品説明欄で、髪に関しては「頭皮・毛髪に潤いを与え、フケ・カユミを抑えます。」「毛髪の油分を補い、枝毛・帯電を防ぎます。」と表記があります。
発毛や育毛といった直接的な効果はありませんが、フケの予防は薄毛にとても効果的です。
フケはそのまま放置しておくと毛穴の詰まりや頭皮の血行不良を引き起こし、薄毛の原因になります。
特に「乾性フケ」は頭皮の皮脂が不足して乾燥することで発生します。
このフケには痒みもあるので、掻くことで更に頭皮を傷めてしまい悪循環になります。
使う量が多過ぎると、油脂の過多により発生する「脂性フケ」が出て逆効果になってしまう可能性がありますので、適量を守りフケや痒みの対策に馬油を活用しましょう。
また、頭皮だけではなく髪の保湿も、薄毛対策には効果的です。枝毛や帯電は髪の傷みを進行させ、抜け毛や切れ毛が増えて薄毛に繋がります。
油臭が発生
髪や頭皮に非常に有益な馬油ですが、動物性の油脂なので時間の経過によってどうしても油臭が発生してしまいます。
最近では香料が使用された商品も複数出ていますので、まずは少しお試しで使ってみて、気にならない臭いかどうかを確認してから継続使用するのが良いでしょう。
馬油で薄毛対策する方法
馬油を正しく使うことによって薄毛予防に効果を発揮します。
なぜなら、馬油は薄毛の様々な原因を防いでくれるからです。
馬油の成分は人間の皮脂と似た成分
馬油の代表的な作用としては、抗菌作用、抗酸化作用、保湿作用、血流を良くする作用などがあることが分かっています。
このような作用は、馬油が人間の皮脂と近い成分であることによってもたらされるものです。
馬油は人間の皮脂と似た成分であるため、アレルギーなどが起こる可能性も少なく、人の肌になじみやすいという特性があるため安心して使用することできます。
セラミドが頭皮の状態を整える
また、馬油には肌のバリア機能を整えるために必要な成分であるセラミドが含まれています。
この馬セラミドは人セラミドと似た天然セラミドであるため、肌に浸透しやすく保湿作用に優れていて頭皮の状態を整えてくれます。
さらに、馬油は動物性の油でありながら、魚などに多く含まれる不飽和脂肪酸を含んでいるため、体内の悪玉コレステロールを抑えてくれる働きがあります。
この作用によって頭皮の毛細血管の血流が促進され、栄養が髪の毛まで届くこととなりますので薄毛予防には効果的です。
馬油の正しい使い方
このように薄毛予防に効果を発揮する馬油ですが、正しい使い方をしないとその効果が薄れてしまします。
精製度の高いものを選ぶ
まず、使用する馬油は不純物のない精製度の高いものを選びましょう。
馬油は酸化しやすいため、防酸化剤などが含まれているものもありますが、不純物が含まれていると酸化しやすく本来の効果を発揮できなくなってしまします。
馬油を使った頭皮マッサージの方法
次に、馬油を使った効果的な使用方法は、馬油を使った頭皮マッサージです。
まず、頭を洗う前に500円玉ほどの馬油を手に取り、指の腹で頭皮にすり込みながらマッサージをします。
頭皮全体をマッサージした後、蒸しタオルなどで頭を包み込んで10分ほど待ちます。
こうすることで、頭皮の余分な皮脂を浮かして健康な頭皮環境を整えます。
10分経過したらシャンプーで洗い流します。シャンプー後には頭皮に馬油を薄くのばすことで保湿効果が期待できます。
馬油で薄毛対策する際の注意点、デメリット
馬油は抗菌作用、抗酸化作用、保湿作用、血流を良くする作用などの効果があり、薄毛予防の土台である頭皮環境を整えることができます。
しかし、頭皮のために非常に効果的な馬油ですが、そんな馬油にも弱点があります。
それは、馬油が天然の油であるがために酸化しやすいというデメリットがあることです。
馬油は酸化しやすく保存が難しい
馬油が酸化しやすい理由は、馬油には魚に多く含まれる不飽和脂肪酸の含有率が高く、この不飽和脂肪酸が酸化に弱い特性があるからです。
この不飽和脂肪酸の力があるからこそ馬油には薄毛を予防するための様々な効果があるわけですが、そのことによって保存が難しくなってしまうのです。
しかし、この酸化しやすいという馬油のデメリットについては、取り扱いをしっかりすれば大丈夫です。
馬油の取扱い方法
馬油の取り扱いで重要なのは、保存方法と使用期間を守ることです。
使用後は蓋をして、半年で使い切ること
油の酸化は、油が空気に触れることで促進しますので、馬油使用後は、必ず蓋をして、開封後は半年を目処に使い切るようにしましょう。
精製度の高いものを選び、ビタミンE以外の防腐剤は避けること。
馬油は精製度の高いものの方が酸化しにくく、また、酸化防腐剤としてビタミンEが配合されているものもありますので、こういった商品を選ぶことが重要です。
ビタミンE以外の防腐剤が入っているものは、頭皮に刺激を与えてしまい、逆に薄毛を悪化させてしまいかねないので避けましょう。
冷蔵庫で保管すること
また、馬油は熱にも弱いため、保存場所は冷暗所が適しています。
常温での保存は酸化が進みますのでオススメしません。保存は冷蔵庫を使用するようにしましょう。
酸化した馬油は変色し匂いも変わってきます。このような状態になった馬油を使用すると肌に負担をかけることになり、シミやくすみの原因になりかねませんので、決して使用しないように注意が必要です。
適量を使用すること
馬油を使用することで、髪の毛がぺちゃんこになってしまうことがあるかもしれませんが、これは使用量が多いためです。
いくら馬油が薄毛予防に効果があるといっても沢山使用すれば良いわけではありません。
シャンプー後に使用する際は、少量を髪の毛ではなく頭皮に薄く伸ばすように付けることが髪をぺちゃんこにしないためのポイントです。
まとめ
馬油の薄毛対策について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- 馬油は頭皮や毛髪を保湿するので薄毛対策に効果的。
- 馬油を選ぶ時は精製度の高いものを選ぶこと。
- 酸化しやすいので取扱いに注意。
馬油は乾燥してカサカサのフケが出るような頭皮の状態の人にぴったりです。
使い過ぎはベトベトしたり油臭が気になるなどデメリットもありますが、人間の皮脂と成分が近いので安心して使えるし、何より薄毛対策アイテムに多い「副作用」が無いというのも嬉しいポイントですよね。
酸化させないよう取扱い方法には気を付けて、日々の生活に馬油を取り入れてみてはいかがでしょうか。