フィンペシアはAGAの治療薬で、プロペシアのジェネリック医薬品として流通しているものです。
ここではフィンペシアの詳細について、効果と効能、副作用について見ていきたいと思います。
フィンペシアとは。概要と特徴
フィンペシアとは何か
フィンペシアとは、インドの製薬会社が開発したAGA治療薬です。
フィナステリドを含有しており、テストステロンと5αリアクターゼの反応を阻害する働きが期待できます。
プロペシアよりも後に販売され、安価に購入することができるので、フィンペシアは「プロペシアのジェネリック医薬品」という位置づけにあります。
しかしながら、フィンペシアは公認のジェネリック医薬品ではありません。
ジェネリック医薬品は特許の切れた薬のみが製造を認められるものであり、特許の切れていないプロペシアをジェネリック医薬品として販売することは認められないからです。
最近になって、インドでもこういった不正なジェネリック医薬品の取り締まりが厳しくなっています。
しかし、未だにフィンペシアが販売されている状況は変わっていません。
フィンペシアの特徴
プロペシアよりも価格が安い
フィンペシアの価格は100錠で2,000円程度と非常に安く、一般的なプロペシアが28錠5,500円程度であることを考えると非常にお得に購入することができます。
その価格差は実に10倍ほどもあり、個人輸入ではフィンペシアを購入する方が多いというのが現状です。
インドで製造されている
プロペシアはアメリカ発祥の治療薬ですが、フィンペシアはインドの製薬会社が製造しています。
インドは人件費がアメリカに比べて安価なので、プロペシアよりも安く提供できるのです。
コーティング処理されている
フィンペシアはキノリンイエローという色素でコーティングされています。
キノリンイエローはタール系の色素で、発がん性が問題となっています。
過剰摂取は将来の発がん率を高めることになりますので、注意が必要です。
ただし、フィンペシアのコーティングに用いられているキノリンイエローの量はごく少量なので、服用したからといって即座に副作用が表れるわけではありません。
厚生労働省でも医薬品への添加は認めているほどですので、発がん性があるからといって神経質になる必要はないと言えます。
どうしてもキノリンイエローが気になる場合には、キノリンイエローが無添加のフィンペシアも販売されています。
通常よりも少々高価になりますが、それでもプロペシアよりは安く購入することが可能です。
フィンペシアの効果と効能
フィンペシアの効果
フィンペシアは、男性ホルモンの発生を抑える成分「フィナステリド」を主成分に作られています。
そのため、AGA(男性型脱毛症)の原因であるジヒドロテストステロンを抑制して、薄毛の進行を阻害する働きがあります。
AGAの原因となるジヒドロテストステロンは、男性ホルモンの一種「テストステロン」と、髪の毛根部分に存在する「5αリアクターゼ」が反応することによって発生します。
ジヒドロテストステロンは髪のヘアサイクルを縮めます。正常なヘアサイクルは2年~6年周期ですが、ジヒドロテストステロンの作用によって半年程度にまで短縮されてしまいます。
ヘアサイクルが短縮されるということは、髪が充分に成長しないまま抜け落ちていくことを意味します。
その結果、徐々に薄毛になっていく脱毛症が、AGA(男性型脱毛症)です。
フィンペシアに含まれるフィナステリドはこのジヒドロテストステロンを抑制し、ヘアサイクルの乱れを正す働きがあります。
そのため、フィンペシアを摂取し続けることでヘアサイクルが徐々に正常化していき、AGAが改善することになります。
プロペシアとの違い
フィンペシアと同じAGA治療薬にはプロペシアがあります。
フィンペシアとプロペシアはどちらもフィナステリドを主成分に作られており、効果・効能に差はほとんどありません。
しかし、安全性と価格面においては大きく異なります。
まず安全性についてですが、フィンペシアはキノリンイエローという成分でコーティングされています。
キノリンイエローには発がん性が疑われており、フィンペシアはプロペシアよりも健康を害する危険性が高いと言えます。
次に価格面です。価格面ではフィンペシアの方がプロペシアよりも大幅に安く、単価では10倍ほど違うこともあります。
その理由は、フィンペシアがプロペシアのジェネリック医薬品とされていることにあります。
ジェネリック医薬品とは、特許の切れた医薬品を安価なコストで製造したもので、元の価格よりも大幅に安く購入できることがメリットです。
プロペシアの特許は2019年まで続くので、本来であればまだジェネリック医薬品を作ることができません。
しかし、フィンペシアの製造国であるインドは国際的な医薬品特許条約に参加していないので、半ば強引ではありますがジェネリック医薬品と銘打って販売することが可能になっています。
フィンペシアはプロペシアと同等の効果を持ってはいますが、国際的に認められた治療薬ではないということだけは覚えておきましょう。
フィンペシアの副作用
性欲減退
フィンペシアの主成分であるフィナステリドは、男性ホルモンを抑制することでAGAの進行を阻害します。
男性ホルモンには性欲をコントロールする働きがあるので、男性ホルモンが抑制されると性欲減退のリスクが上がることになります。
実際に性欲減退の症状が出る可能性は1.8%と低いですが、これから子どもを作ろうとしている方は要注意です。
多くの場合はフィンペシアの服用をやめると性欲も元に戻ります。
勃起不全
男性ホルモンが減るということは、男性器の機能も低下するリスクがあります。特に勃起不全は、男性の自信喪失にもつながります。
自信を取り戻すために薄毛を改善しているのに、勃起不全でさらに自信を無くしてしまっては元も子もありません。
また、勃起不全は性欲減退と違ってフィンペシアの服用をやめても症状が残ることが報告されています。
勃起不全で一度自信を失ってしまうと自力で治すのは非常に困難ですので、要注意です。
男性不妊
フィンペシアの服用でジヒドロテストステロンが減ると、精液内に含まれる精子の量が減ったり、精子の運動量が低下するなどの副作用が起こる可能性があります。
このような症状を男性不妊と言い、子どもを作りたいと考えている方にとっては重大な問題になります。
肝機能障害
フィンペシアはまず肝臓で分解した後で身体に吸収されますが、この分解は肝臓に大きな負担を与えます。
そのため、フィンペシアを長く服用していると徐々に肝臓が弱っていき、肝機能障害となってしまう恐れがあります。
うつ発症のリスク
AGA発症の原因であるジヒドロテストステロンは、やる気を出すためのホルモンでもあります。
ジヒドロテストステロンが減少すると気力がなくなり、うつ症状が出る可能性があります。
がん発症のリスクを高める可能性がある
フィンペシアはキノリンイエローと呼ばれる着色料でコーティングされています。
キノリンイエローには発がん性があり、飲み続けていると将来的ながん発症のリスクを高める可能性があります。
思い込みや考えすぎによるプラシーボ効果に注意
ここまでご紹介した副作用の発症率は1~2%と非常に低いものばかりで、実際にはそこまで心配することはありません。
しかしながら、勃起不全や男性不妊などは男性にとって非常に大きな問題であり、そのリスクがあるというだけでも不安になってしまう方が多くいます。
副作用が出た場合の対処方法を考えておくことは大切ですが、あまりに悩み過ぎるとプラシーボ効果として副作用が表れることもあります。
心身ともに健康な状態で薄毛を改善するためにも、考え過ぎずにフィンペシアを服用し続けることが大切です。
フィンペシアを処方してくれるAGAクリニック
フィンペシアを処方してくれるAGAクリニックはありません。
上述した通り、フィンペシアは公認のプロペシアのジェネリック医薬品ではなく、日本では処方される医薬品ではありません。
フィンペシアを使用したい人はAGAクリニック以外で入手する必要があります。
また、AGAクリニックで薄毛治療をしたい人は、プロペシアを処方してくれるAGAクリニックなどを探すのが良いでしょう。
まとめ
フィンペシアの効果と副作用について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- フィンペシアは、プロペシアと同じくフィナステリドを主成分とするAGA治療薬である。
- インドで製造されていて、プロペシアの10分の1の価格で手に入る。ジェネリックと呼ばれているが公認のものではない。
- 薄毛の進行を阻害する効果はあるが、安全面で不安な点もある。
ジェネリック医薬品として正式に認められていないけれど、ジェネリックと言って販売されている、いわばグレーな存在であるフィンペシア。
とにかく安価で手軽に購入することが出来ることはメリットですが、安全面の不安と天秤にかけてご自身の判断で利用するかを決めてください。