AGA治療は継続が大切で自己判断で中止をしない方がよいと言われています。
しかし、医師の判断でAGA治療を中止するべき状態はどのような場合なのでしょうか。
また、中止した場合にどのような問題があるのでしょうか。
そこで、今回はAGA治療を中止した方が良いケースと中止した時の影響についてご紹介します。
AGA治療を中止した方が良いケース
症状が改善されない場合
AGA治療を中断した方が良いケースで1番にあげられるのは、薄毛の症状が改善されない場合です。
発毛にはサイクルがあり、伸びるスピードも1か月1センチほどと決して早くはありません。
プロペシアやミノキシジルなどを使った投薬治療を始めても、即効性はないためしばらく使い続ける必要があります。
しかし医師の指導の元で半年以上治療を続けても効果が得られない場合、治療法が合ってない可能性があります。
その場合は再びカウンセリングをして処方薬を変えてもらったり、新たな治療法を取り入れると良いでしょう。
もしクリニックの対応で気になる点があれば、セカンドオピニオンのような形で他院でカウンセリングを受けても良いかもしれません。
さらに脱毛症の原因がAGAではない可能性もあるため、皮膚科で問診するのもおすすめです。
皮脂の分泌が急に増えたり、フケが異様に出るようになったら皮膚炎による脱毛症の恐れがあります。
さらに円形脱毛症のように一部分だけ髪の毛が抜けた場合も、AGAではないため皮膚科や心療内科を受診しましょう。
副作用がひどい場合
AGAに使われる治療薬は国の厳しい基準をクリアしたとは言え、副作用の出るリスクはゼロではありません。
プロペシアやザガーロなど男性ホルモンに関係する内服薬は性欲減退、勃起不全、射精不全、肝機能障害などの副作用が出る場合があります。
テストステロンやジヒドロテストステロンは精神状態に影響を与えるため、人によってはうつ病を発症する恐れもあります。
ミノキシジルは元々高血圧治療のために開発された医薬品のため、血圧が低い人が利用を続けると不整脈や心不全の原因になり得ます。
その他にも体毛の増加、かゆみ赤みなどの肌荒れ、頭痛や耳鳴りなどの副作用が報告されています。
どの副作用の症状も発生率5%未満と低い割合ですが、少しでも異変を感じた場合は服用を中止し、医師に相談しましょう。
もしその後も副作用が出る場合は、治療を中止することをおすすめします。
AGA治療を中止した時の影響
抜け毛が増え髪の毛が弱くなる
AGA治療薬は症状を根本から改善するものではありません。
原因となる物質の分泌を抑える間はAGAの症状が出なくなる、あくまでも遅延処置のようなものだと考えましょう。
プロペシアやミノキシジルを使うのをやめた場合は、3か月から半年ほど経つと徐々にAGAによる脱毛症が再発します。
投薬治療により正常化していて発毛サイクルが再び乱れることで、この現象が起こります。
通常の発毛サイクルは成長期が2年から6年、退行期が2週間、休止期が3か月から4か月かかります。
しかしDHT(ジヒドロテストステロン)の働きでAGAになると、毛髪の成長期が数か月から1年と大幅に短縮されてしまいます。
そのため髪の毛が十分に育たないうちに抜けてしまうため、髪質が軟毛で細くなってしまいます。
AGA治療を中止したら、健康になった毛髪が再び弱くなってしまいます。
副作用が無くなる
あらゆる薬品にあるように、AGA治療薬にも副作用が報告されています。
特にプロペシアは性欲減退、勃起不全、射精不全、不妊、肝機能障害、うつ病などの副作用が出るケースがあります。
ミノキシジルも不整脈、心不全、胎児の奇形化、多毛症、皮膚炎などの症状が出る可能性もあるため、発生率5%未満のわずかな割合ながら健康を損なうリスクも存在します。
これらの症状が出た場合治療薬の服用を中止すれば、副作用が出なくなります。
献血ができる
プロペシアは服用して体内に取り込まれると肝臓で代謝されます。
その後プロペシアの主成分であるフィナステリドが血液に送り込まれ、血管を通して体中に巡ります。
フィナステリドは女性には悪影響を及ぼすため服用はもちろん、触ることも禁じられています。
特に妊娠中、授乳中の女性の血液中にフィナステリドが入ると、胎児や新生児の生殖器の発達に影響があるとされています。
上記の理由からプロペシア服用者の献血が禁じられています。
しかし服用を中止してから1か月以上経てば、体内のフィナステリドが排出されるため献血できるようになります。
AGA治療を中止した後に取るべき対策
プロペシアを中止した後
プロペシアの服用をやめた後に出る症状は人によって異なります。
一定期間プロペシアを服用しても効果が出ずに使用を中止した後、何の副作用も出ない人もいます。
そういった人は特に対策は必要ありません。
後遺症
注意したいのはポストフィナステリド症候群と呼ばれる後遺症です。
これはプロペシア服用時に現れる副作用が、使用を中止した後にも続く症状です。
具体的な例は性欲減退、勃起不全 、性器に痛みを感じたり萎縮したりする、集中力低下、記憶障害、うつ状態、倦怠感があげられます。
男性機能の低下や精神的な影響が出る場合が多いようです。
これらの症状は服用中止してから数か月で収まるケースもありますが、何年も長期間持続する場合もあります。
まずはAGAクリニックで医師に相談しましょう。
その後は心療内科や泌尿生殖外科など、症状に合った一般病院を受診するのが一般的なようです。
プロペシアは世界中で利用されている医薬品のため、ポストフィナステリド症候群に悩む人も多く存在します。
AGA治療が盛んに行われているアメリカでは、2012年8月にポストフィナステリド症候群財団が設立され、症状の研究と被害者へのサポートが進められています。
発生率は100人中5人程度と数字の上では少ないですが、医薬品の後遺症としては割合が高く、日本でもサポートシステムの確立が待たれています。
ミノキシジルを中止した後
血行を良くすることで発毛効果が得られるミノキシジルですが、中止した後は抜け毛が増える可能性があります。
これは血行が悪くなることで再び脱毛の症状が出ることに原因がありますが、気になる人はプロペシアを服用すると良いでしょう。
医薬品を利用したくない人は血行を良くする漢方を使ったり、適度な運動を習慣にすると血流が滞ることが防げます。
アルコールの取りすぎや、タバコの吸いすぎも血行を悪くする可能性があるため、徐々に量を減らすようこころがけましょう。
まとめ
AGA治療を中止する場合と中止した時の影響について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 半年以上治療を継続しても効果がない場合や、副作用がひどい場合に治療を中止することがある
- プロペシアを中止した場合、後遺症としてポストフィナステリド症候群が出る可能性がある
- ミノキシジルを中止した場合、抜け毛が増える可能性がある
AGA治療は継続が大事ですので、自己判断で安易に中止してはいけません。
医師の診察で中止の判断が出て治療をやめた場合は、後遺症に注意が必要です。
副作用、後遺症ともに発生率は高くありませんが、長く悩まされる人もいるため、何らかの変化があった場合には医師に相談しましょう。