年齢を重ねるにつれて、薄毛の問題に悩む人は増加します。

ですが、医療や技術の進歩によって薄毛治療の方法も選択肢が増えています

そこで、薄毛治療にはどのような方法があるのか、それぞれの効果や費用について紹介します。


薄毛治療の方法


薄毛治療には、薬によって発毛を促す発毛治療や、髪の毛を直接頭皮に植え付ける植毛手術、その他にもさまざまな方法があります。

どの薄毛治療の方法を選択するかは、専門家のカウンセリングや薄毛の進行具合により異なります。

医薬品による治療


今現在、医薬品による「発毛治療」こそが最もベーシックな薄毛治療の方法となっており、まだ比較的軽度な薄毛の場合はとりあえずこちらを行う方がほとんどです。

医薬品による発毛治療は、デュタステリド、フィナステリド、ミノキシジルといった、薄毛の原因となる男性ホルモンを調整したり、頭皮の血管を活発にする成分が配合された医薬品を使い発毛を促していく治療です。

医薬品には、頭皮に直接塗る塗り薬タイプのものや、毎日決まったタイミングで飲む飲み薬タイプのものなどがあります。

自分のペースで続けることができるのがメリットですが、体質や薬との相性によっては効果が薄く、また薬には副作用のあるものもありますので、専門家への相談をきちんとした上で副作用を良く理解した上で治療を行いましょう。

植毛手術による治療

他の薄毛治療の方法には、薄毛の進行度合いが大きい場合に用いる「植毛手術」があります。

こちらは、発毛治療のように発毛を促すのではなく、頭皮に直接髪の毛を植え付ける手術を行います。

自分のしっかり生えている部分の毛を薄毛の部分に移動させる自毛植毛と、化学繊維による人口の毛を植え付ける人工毛植毛がありますが、自毛植毛が主流です。

失敗するリスクもあるのですが、頭皮の毛髪が特に薄くなっているところに直接毛を植え付けますので、目に見えて効果がありますし、自然な仕上がりとなります。

育毛メソセラピーによる治療

その他の薄毛治療の方法として「育毛メソセラピー」があります。

発毛治療に使う薬の成分を、注射器や専用の機材によって、直接頭皮の中に注入する治療法です。

直接注入なので効果が期待できますが、高い技術や専用の機材が必要となってきますので、信用のできるクリニックを見つけだし、しっかりとしたカウンセリングを受けた上で治療に臨む必要があります。


薄毛治療で期待できる効果

医薬品による薄毛治療にかかる期間


薄毛治療には様々な種類がありますが、効果が出るのに必要な期間やその効果の大小など、治療の種類によってそれぞれ期待できる効果も大きく違います。

薄毛治療の定番は「医薬品による発毛治療」ですが、医薬品に主に含まれるデュタステリド、フィナステリド、ミノキシジルといった成分は、薄毛の原因となる男性ホルモンの調整や頭皮血管の活発化により発毛を促します。

ですが、これらの成分には即効性が無く、その効果が身体に出はじめるのはおおむね3ヶ月より後、見た目だけで効果を実感できるようになるまではおよそ6ヶ月以上の期間が必要だとされています。

医薬品による薄毛治療をはじめたが全然効果が出ない方も、まずはすぐに結論を急がずに、効果が出てくるまで数ヶ月単位での治療に取り組んでいきましょう。

また、効果が出てきたからといってすぐに治療をやめてしまってはいけません

効果が出てきたからといって、薄毛の体質が完全に改善されたわけではないからです。

薄毛にならない身体を維持するため、その後も継続して治療をおこなっていく必要があります。

体質的に生まれつき医薬品が効きにくい方も中にはいます。まずは一度、お近くのクリニックまで相談に行ってみましょう。

せっかくの薄毛治療、効果を最大限にするには専門家によるカウンセリングが必要不可欠です。

植毛手術の方が向いているケース

忙しいのであまり時間をかけていられない、すぐに目に見える効果が出てほしい方には、発毛治療よりも、髪の毛を直接頭皮に植え付ける植毛手術の方がより効果を期待できます。

さらに、長い間ほったらかしにしておいた薄毛は毛根の再生力が低下しており、医薬品の成分が効きにくい傾向があります。

ですので、こういった場合の方も植毛手術を選ぶと良いでしょう。

もちろん、植毛により見事な髪の毛を手に入れても、薄毛の体質までは改善されていません

せっかく植えた毛が枯れてしまわないよう、医薬品によるアフターフォローをしっかりと行いましょう。


薄毛治療の費用相場

発毛専門クリニックで治療する場合


薄毛治療にかかる費用の相場は、専門のクリニックで医薬品による発毛治療を受けて、月平均2~3万円程度です。

発毛治療は効果が出はじめるのに最低3ヶ月はかかり、見た目の効果を実感できるようになるまでにはおよそ6ヶ月以上の期間が必要だとされています。

この場合、発毛効果を実感するまでに2~3万円×6ヶ月=12~18万円程の費用が必要になってくる計算になります。

結構な費用がかかると思われる方も多いかもしれませんが、これには理由があります。

発毛治療は保険適用外で、治療費が全額利用者の負担となってしまうからです。

ですが、専門家のもとで安心の治療を受けられて、悩める薄毛が解消されると考えれば、この金額も納得ではないでしょうか。

初回のカウンセリングが無料のクリニックも最近では増えてきていますので、費用面で不安な方はまずは相談だけ行ってみるのも良いでしょう。

一般の病院で治療する場合

実は薄毛専門のクリニックではなく、一般の病院でも薄毛治療をしてくれるところがあります。

こちらですと保険の適用内ですので、月あたりの平均費用は1万円程が相場と、かなりの安価で治療を受ける事ができます。

ですが、保険適用内の医薬品は効果が薄く、一般の病院では薄毛の状態を抑制することはできても、発毛の促進までは難しいのが現状です。

自分の毛髪の状態や予算をよく考えた上で、専門のクリニックか一般の病院かを選びましょう。

植毛手術の費用は?

薄毛 プール
次に植毛手術の費用についてですが、こちらは発毛治療に比べると高額となっており、1グラフト平均800円程がおおよその相場です。

ちなみにグラフトとは植毛専用の単位で、1グラフトで髪の毛2本程度です。

一般的な薄毛の状態ですと、1000グラフト程植毛すれば自然な仕上がりになると言われていますので、800円×1000グラフト=80万円程の費用が必要です。

かなりの費用がかかりますが、最も即効性があり仕上がりも自然ですので、費用面での問題が無ければこの植毛治療が一番の選択肢となります。


最新の薄毛治療

幹細胞を活用した治療

薄毛 ダニ
最新の薄毛治療の選択肢は多岐にわたり、どれも効果が期待できます。

その中でも最先端の治療方法は、iPS細胞などでも有名な「幹細胞」による再生医療を活用した薄毛治療でしょう。

近年再生医療の注目度が高まり、幹細胞という言葉を耳にする機会も増えてきました。

幹細胞の働き・効果

幹細胞は特殊な性質を持っており、その性質が薄毛治療にも大きな効果を発揮します。

人間の身体を構成している無数の細胞は、日々生まれ変わっては成長することを繰り返しています。

新しい細胞を増やしたり活性化させる働きをしているのが幹細胞です。

そしてこの性質は、髪の毛の細胞に対しても大きく効果があります。

幹細胞による治療方法

薄毛で悩む方の身体から幹細胞を採取して、そこから最先端の技術で成長にまつわる成分を取り出し、その成分を注射器などで頭皮に直接注入します。

すると髪の毛を作ることをやめてしまった細胞が、幹細胞の性質によって活性化され、正常な細胞に生まれ変わります。

そして再び髪の毛が生えてくるようになります。

効果は素晴らしいですが、様々な最新の機材を使い、また他の薄毛治療と同じく保険適用外の治療になりますので費用が高額になります。

おおよその相場で、7~80万円以上の費用が必要になります。

また、これだけでは薄毛の体質までは改善しませんので、せっかくの最先端治療が無駄になってしまわないように医薬品の使用や生活改善によるアフターケアをしっかり行う必要があります。

人口毛を使用した植毛手術

その他にも、最近めまぐるしい進化を遂げているのが、人工毛を使用した植毛手術です。

化学繊維を加工して人工の髪の毛を作り上げ、それを頭皮に直接植える手術です。

通常の自毛植毛よりも安価で行うことができ、人工なので髪の色や髪質も自由に選ぶ事ができます。

身体への負担も少なく施術はその日に終わることもあり、即効性も抜群です。

ですが、頭皮の性質上どうしても1年ほどで劣化してきてしまうので、植毛手術後も継続的な植毛が必要になります。


まとめ

薄毛治療の方法、効果、費用について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 薄毛治療には医薬品、植毛手術、育毛メソセラピーなどの方法がある
  • 得られる効果は方法によって様々でアフターフォローが大切である
  • 薄毛治療にかかる費用は、保険適用外だと高額になる

保険が適用される医薬品による治療から、高額な負担がかかる治療や手術まで、様々な方法があります。

どの方法が自分に合っているのか、事前によく考え、専門家に相談することが重要です。

また、治療をして終わりではなく、アフターケアも大切です。

薄毛治療には、どうしても費用も時間もかかります。

無料で相談できるクリニックも増えていますので、まずは一歩踏み出してみてはいかがでしょう。