毛細血管が劣化してしまうと、髪の成長に必要な栄養が行き渡らずに髪が成長しなくなってしまいます。
ここでは毛細血管の働きと、劣化させない工夫、毛細血管を増やす工夫についてご紹介します。
毛細血管の劣化と薄毛の関係
毛細血管の劣化は薄毛と深い関係があります。なぜなら毛根に栄養を運ぶのは頭皮にある毛細血管の役割なので、それが劣化することで髪の成長が大きく妨げられるからです。
毛細血管の働き
毛細血管の具体的な働きには栄養と酸素を細胞に運ぶことに加え体温調節や老廃物の排出、ホルモンや免疫細胞の運搬などがあります。
栄養と酸素の運搬
まず毛細血管の最も重要な役割が栄養と酸素の運搬です。
頭皮には多くの毛細血管が張り巡らされています。しかしそれが劣化するとスムーズに栄養と酸素が毛母細胞に運ばれなくなります。
その結果髪の育成が遅くなったりヘアサイクルが乱れたりしてしまいます。
いくら髪に良い栄養を摂っても運搬する手段が機能していなければ、髪はどんどん薄くなる一方です。
体温調節
体温調節も毛細血管の重要な働きです。体温が上手く調節できずに頭皮が冷えたり血流が悪くなると、抜け毛につながることがあるためです。
体温が低くなると体の機能が低下します。頭皮に関しても同様です。
逆に体温が高すぎても、体内の栄養が多く消費され体力が奪われてしまいます。ですから毛細血管の働きでちょうど良い体温にします。
老廃物の排出
老廃物の排出も頭皮環境を整えるためには大切です。髪の成長を阻害する毒素が取り除かれずにいると、抜け毛が増える恐れがあります。
また代謝活動が滞ると頭皮にも老廃物が溜まってしまい、血流の悪化や炎症の原因にもなります。
ホルモンの運搬
ホルモンの運搬も行われます。特に髪が健康的に伸びるための「成長ホルモン」が毛根に運ばれないと薄毛につながります。
この成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。例え良質で十分な睡眠時間を確保しても、成長ホルモンが毛根に運ばれないと髪の成長に貢献してくれません。
免疫細胞の運搬
免疫細胞の運搬も毛細血管の働きです。頭皮の免疫力が低下するとバリア機能も低下してしまいます。
その結果紫外線などの外部からの攻撃に頭皮がすぐに傷ついてしまい、炎症や湿疹など頭皮環境が悪化してしまいます。これも薄毛につながることです。
頭皮の毛細血管の劣化を防ぐ方法、対策
頭皮の毛細血管の劣化を防ぐためには、血管を拡張する習慣を付けることが重要な対策です。
リラックスすることや食事の改善、入浴などで効率的に血管を広げて劣化を防ぐことができます。
リラックスすること
まずリラックスする習慣は、毛細血管を健康的に保つための方法としてとても大切です。
強いストレスを受け続けると身体機能が低下して、頭皮環境の悪化や抜け毛の原因になるためです。
リラックスするために取り組むと良いことは睡眠の改善です。眠っている間は最も副交感神経が働く時間でリラックスしている状態です。
ストレスを受けて交感神経が強く働いていると、血管が萎縮して血流が滞ってしまいます。そのため質の良い睡眠を取ることは毛細血管の健康を保つことにつながります。
ストレス解消のために運動をすることもおすすめです。毎日ジョギングやウォーキングする習慣を付けると良いリフレッシュになります。
あまり時間がない場合は、簡単な筋トレやストレッチだけでもストレスの軽減につながります。
休日などに趣味に打ち込む時間を作ることもおすすめです。旅行やカラオケなど自分の好きな趣味に没頭することでストレスが解消できます。
食事の改善
次に食事の改善です。タンパク質やビタミン・ミネラルを多く含んだ野菜を中心とした食事に切り替えましょう。
脂肪分や糖分が多い食事は肥満やメタボの原因になり、高血圧や動脈硬化の進行を速めてしまいます。動脈硬化は毛細血管の劣化に直結してしまいます。
料理の品数が少ないとどうしても脂肪分や糖分の摂取量が多くなります。
そのため品数を多くして主菜や副菜などもバランス良く食べましょう。自然に脂肪などの摂取量を減らすことができます。
また温かい料理を食べることも大切です。いつも冷たいものを食べていると、体が冷えて血流の悪化につながるためです。
血流を良くする食材を使うことも効果的です。体温を上げて血行を改善するおすすめの食材は「しょうが」です。
料理のアクセントにもなりますし、ホットジンジャーティーなど飲み物としても使えます。シナモンやヒハツも血流改善に効果的ですので積極的に活用しましょう。
体温を上げるために唐辛子も少量ならばおすすめです。しかし大量に摂取することはおすすめしません。
発汗効果が強いため、逆に体温を下げてしまう可能性があるためです。
半身浴
そして入浴も毛細血管の拡張に効果的です。最もおすすめの入浴法は「半身浴」です。
体を浸けて腰の高さになる程度のお湯の量で20分以上入浴します。そうすることで体温の上昇や血流の改善、そしてリラックス効果が得られます。
忙しい生活を送っていると、どうしてもシャワーだけで済ませてしまう場合が多くなります。
そうすると毛細血管が収縮したままの時間が長くなり、薄毛の原因になってしまいます。
頭皮の毛細血管を増やす方法
頭皮の毛細血管を増やすおすすめの方法は、食生活の改善と運動習慣です。
まずは血行不良を防いで、毛細血管に流れる血流量を増やすための食生活にすることが大切です。
和食中心の食生活
そのためには脂っこい料理を避けることが重要です。洋食は脂肪分が多くなりがちなので、和食中心にすることをおすすめします。
また肉よりも魚料理の方が血液に良い影響を与えます。魚の脂質は不飽和脂肪酸を多く含んでいるためです。
不飽和脂肪酸の一つ「EPA」には、血液をサラサラにしたり悪玉コレステロール値を下げる働きがあります。
炭水化物、糖分、塩分を控えめに
炭水化物や糖分も控えめにしましょう。カロリーが高く肥満やメタボにつながりやすいためです。
肥満は糖尿病や高血圧などの生活習慣病を招きやすいです。高血圧が進行すると血管が傷ついて毛細血管を減らしてしまいます。
また塩分も高血圧になる原因ですので、味付けはできるだけ薄くしましょう。
バランス良い食事
栄養バランスを考えると野菜を食べることは大切です。しかし過剰に食べるとミネラル成分が排出されてしまうため髪に良くありません。
ですから偏ることなくバランスの良い食事内容にすることが重要です。
酢の物を摂る
血管の健康におすすめの調味料として「酢」があります。毎食少しの酢の物を食べることで、増やした毛細血管を健康に保つことができます。
筋トレ、有酸素運動をする
次に運動習慣です。運動には色々な種類がありますが「筋トレ」と「有酸素運動」がおすすめです。
特に下半身を鍛えるものが良いでしょう。下半身の筋肉は第二の心臓と呼ばれるほど、血液を全身に流す強力なポンプの役割を持っています。
そのため筋トレではスクワット、有酸素運動ではジョギングやウォーキングを行うことで頭皮の毛細血管を効率的に増やすことができます。
スクワット
スクワットは特別な器具は必要ありません。空いた時間に自宅で腰を落としたり持ち上げたりするだけで太ももを鍛えることができます。
しかし足の筋肉は毎日使うものなので、軽い筋トレではあまり刺激を得られません。そのため普段の2倍以上の時間をかけてゆっくりとスクワットをしてみましょう。
例えば腰を下ろすのに4秒、上げるのに6秒などです。筋繊維のより深い部分まで刺激することができるので、効率的に鍛えることができます。
ジョギング、ウォーキング
ジョギングやウォーキングは決まった時間に20分以上行うようにしましょう。そうすることで血行促進や下半身の強化に加えてダイエット効果も期待できます。
禁煙する
毛細血管は増やすのと同時に、減らす原因を断つことも重要です。
毛細血管を減らす原因の一つがタバコです。タバコに含まれる成分の影響で血流悪化や動脈硬化、高血圧、糖尿病など様々な害を受けてしまいます。
しかしタバコには依存性があるため、今すぐ禁煙することは難しい場合もあります。その際は徐々に本数を減らす、禁煙外来を利用するなどしましょう。
紫外線も頭皮を傷つけて毛細血管を減らす一因です。そのため外出の際は帽子を被るなどの対策を取ることが必要です。
まとめ
毛細血管の劣化と薄毛の関係について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- 毛細血管の働きによって、髪の成長は支えられている
- 毛細血管の劣化を防ぐ工夫が大切
- 毛細血管を増やすためにバランス良い食事や運動を取り入れる
毛細血管の働きは、薄毛対策だけでなく人の健康を支える重要な役割があります。
バランスの良い食事や質の良い睡眠、入浴によるリラックス、適度な運動など健康的な生活を整えることで自然と薄毛も改善していくでしょう。
毛細血管が劣化しているかもしれない、と感じた方は、改めて生活習慣や食生活を見直して出来ることから改善していきましょう。