前頭部の薄毛は、なかなか気が付かずにかなり進行してから気づく人が多いです。
前頭部が薄毛になる原因と対策、目立たないヘアスタイルや、放置するとどこまで進行してしまうのかについて見ていきたいと思います。
前頭部が薄毛になる原因
前頭部は頭頂部から生え際の部分の総称です。
生え際から薄毛の症状が出るとM字型、頭頂部辺りから薄くなるのがO字型と呼ばれています。
前頭部が脱毛する場合、M字型の症状が出る人が多いようです。
血行不良によるもの
血行が悪くなっていることが原因の1つとされており、血行不良により頭皮が固くなると必要な栄養が毛根に届かないので、薄毛になりやすいです。
自分の頭皮の状態を確認するためには、触診が有効です。
指先を頭皮に当てて前後に動かした時に可動域が少なかったり、触った部分が痛いと血行不良の可能性が高いです。
生え際はあまりケアしない人が多いので毎日の洗髪を際まで丁寧にしたり、マッサージを定期的にすることで改善が期待できます。
ライフスタイルの乱れによるもの
前頭部に限った話ではありませんが、生活習慣の乱れと薄毛は関連性が高いとされています。
食生活の面では、脂っこい食事を摂り過ぎていないか確認する必要があります。
動物性脂肪分を摂り過ぎると血管を狭めて血行不良を引き起こしたり、血管自体の老化を進めてしまう恐れがあります。
さらに皮脂の分泌も増えるので毛穴を塞いだり、頭皮環境の悪化を招くリスクもあるようです。
アルコールを飲む量が多いと、髪の毛を作るための亜鉛がアルコール分解にまわされるため、生えてくる髪の毛が弱く抜けやすいものになります。
ホルモンバランスによるもの
男性ホルモンであるテストステロンは、薄毛に多大な影響があります。
元々は体を作るために欠かせないホルモンなのですが、バランスが崩れると毛根にある酵素と結びつきDHTと呼ばれる物質に変化します。
DHTは男性だけでなく、微量ながら女性の体内にも存在します。
脱毛ホルモンとも呼ばれる程発毛サイクルを乱す働きがあり、このDHTによってAGAやFAGAなどの薄毛症状が引き起こされます。
皮膚科でも治療を受けられますが、AGA専門外来ではより本格的で丁寧な療法が揃っています。
血液検査や毛髪鑑定も行なっているので、自分の薄毛の症状を知りたい人に特におすすめです。
前頭部が薄毛になった時の対策
生活習慣の見直し
前頭部の毛髪はDHT(ジヒドロテストロン)の影響を受けやすい箇所です。
育毛剤を利用したり専門外来での治療を受けるのがおすすめなのですが、それらの方法の効果を上げるためには毎日の生活習慣の見直しが必要です。
薄毛改善のためには、インスタント食品やジャンクフードをできるだけ避け、ビタミンやミネラルを含む食品を食べるのがおすすめです。
ですが食事だけで必要な栄養素を摂るのは難しいので、サプリメントを併用すると良いでしょう。
毛髪の生成を促進する亜鉛や、血行を良くするDHAなどが有名です。
その他にもDHTを抑制する働きがあるノコギリヤシや、女性ホルモンに似たイソフラボンやプエラリアミリフィカなども人気の成分です。
良質な睡眠を
薄毛の対策のためには睡眠の質もとても大切で、良質な睡眠を取るためにはリラックスすることが大事です。
寝る直前にご飯を食べたり、スマホをずっと見ていたりすると体がきちんと休まりません。
最低でも寝る30分前は何もしないで、眠っている間にたくさん成長ホルモンを出す環境作りをしましょう。
ツボ押しで血行促進
頭には血行を良くするツボが複数あります。
特に前頭部に効果があるのは上星(じょうせい)と呼ばれるツボです。
生え際から2センチ程登った部分にあるツボで、周囲の血行を良くする作用があります。
その他にもちょうど頭のてっぺんにある百会(ひゃくえ)を押すと、血行促進や内臓の働きを正常に戻すので老廃物の排出を助けてくれます。
同じく頭部の血行を良くするツボには、角孫(かくそん)と呼ばれるものがあります。
耳の上の髪の毛の生え際に位置しており、眼精疲労の改善にも効果があります。
うなじの両端の所のくぼみは、完骨(かんこつ)と呼ばれるツボで抜け毛予防に大きな効果があるとされています。
首には太い血管やリンパ管があるので、肩凝りや顔のむくみを解消してくれます。
シャンプーをする時にこれらのツボを意識しながら、マッサージをするように洗うと頭皮の血行が良くなります。
また生え際部分はシャンプーや、スタイリング剤が残りがちなので、丁寧に流しましょう。
前頭部が薄毛でも目立たない髪型
男性はショートがおすすめ
前頭部が薄毛の場合、マッシュなどの重めスタイルにするのは難しいです。
無理に隠そうとすると実際よりも薄毛が目立ってしまうリスクがあるので、潔く短髪のスタイルがおすすめです。
自由に髪型を変えられる人はトップが短めのツーブロックや、パーマでこなれたニュアンスが出せるグランジスタイルが良いでしょう。
人と会う職業や会社内で髪型規定がある人は、ソフトモヒカンやベリーショートにすると爽やかで清潔感が出ます。
一般的にサイドの髪の毛を短くすると、ボリュームの差が分かりづらいので自然にカモフラージュできます。
髪の毛が薄い部分があるとついその部分を長く伸ばしたくなりますが、実は短く切っておいた方がアレンジも効いて薄毛カバーも可能です。
特に前髪は顔の印象を大きく作用するので、1人で決めずに美容師さんと相談してカットすると良いでしょう。
それでも気になる場合には、ヒゲやメガネなどを合わせるのが良いです。
髪型よりもそちらに目が行くので、本人へのストレス的な負担が減らせます。
女性はウェーブヘアがおすすめ
女性に前頭部に薄毛の症状が出る場合、瀰漫(びまん)性脱毛症であるケースが多いです。
その場合パーマで髪の毛にウェーブを付けるのがおすすめです。
ショートからボブの場合は前髪を厚めにせず、眉上のショートバングスにするとニュアンスを出しつつ薄毛を目立たせないようにできます。
難易度が高いスタイルのように感じますすが、実は幅広い年齢層の女性に似合う髪型です。
ミディアムからロングヘアの人は、シースルーバングがぴったりです。
少し量を減らして透けるような前髪なのですが、今時のトレンドを押さえつつ生え際のカバーが叶います。
その場合は他の部分をコテでゆるめに巻いたり、ニュアンスパーマをかけると貧相な印象になりません。
ワンレングスや前髪が長い場合は、かき上げスタイルが良いでしょう。
大きめのカーラーかコテで外巻きにして、根元を立ち上げる髪型で顔周りが華やかに見えます。
前頭部が薄毛になった後の症状の進行
M字型薄毛の場合
前頭部の薄毛で悩む人に多い症状がM字型薄毛です。
前頭部はホルモンバランスの影響を強く受けるので、AGA(男性型脱毛症)の症状が出やすい箇所として有名です。
どのように薄毛が進行して行くかは、薄毛研究の権威であるハミルトン氏とノーウッド氏によって作られた、薄毛の進行パターンをチャートにしたN-H分類が分かりやすいです。
AGAの症例はM字型の方が多いようです。
初期症状として生え際やもみあげが薄くなったり、毛髪が細く柔らかくなります。
次第に生え際が後退して行って、アルファベットのMのようなフォルムになります。
この時点で自身の薄毛に気づく人が多いようです。
さらに進行すると頭頂部まで脱毛してしまいます。
O字型薄毛の場合
O字型の薄毛はつむじや頭頂部から始まる脱毛症です。
目視しづらい箇所のためか、薄毛がかなり進行するまで気付かない人も多いです。
頭頂部から前頭部は、脱毛ホルモンと呼ばれるDHT(ジヒドロテストロン)が分泌されると発毛サイクルが乱れます。
O字型の脱毛症はつむじ辺りから始まり、徐々に前頭部まで及びます。
進行して行くと脱毛する場所が広がるので、河童のようなフォルムになる人もいます。
O字型とM字型の脱毛症を同時に発症するケースもあります。
確率はそれほど高くないようですが、生え際と頭頂部がどんどん脱毛していくので早めの対策が必要です。
最終的には
前頭部の脱毛がAGA(男性型脱毛症)の場合、症状を放置していると薄毛の範囲が広がります。
男性ホルモンの影響を受ける部分の脱毛が進むと、最終的には側頭部と後頭部だけが残ります。
ちょうどサザエさんの波平のような髪型です。
前頭部に限らず脱毛症は早めの対策が肝心です。
髪の毛が細くなってきたり、生え際が後退していると感じたらAGA専門外来などで治療を受けると良いでしょう。
それ以外で脱毛の症状が出る場合シャンプーや洗顔料、ヘアワックスの洗い流しが不十分な場合があるので、毎日の洗髪を丁寧に行いましょう。
まとめ
前頭部の薄毛について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- 血行不良や生活習慣の乱れ、ホルモンバランスの乱れが原因
- 生活習慣を見直すこと、ツボ押しマッサージが有効
- AGAの場合放置するとどんどん進行するので早めに受診を
前頭部の薄毛は、ホルモンバランスの崩れによってAGAになっている場合と、生活習慣や不十分な洗髪によるものがあります。
まずは原因をはっきりさせて、早めに対策を行っていくことが重要です。AGAかも知れないと思ったら、進行してしまう前に受診するようにして下さい。