男性型脱毛症の治療には、医学的に薄毛改善効果が認められている治療薬が用いられます。
しかし健康上問題のあるかたは、副作用の症状が現れる恐れがあるため注意が必要です。
そこでここでは、ヘアメディカルの治療で処方される薬やその副作用について解説していきます。
ヘアメディカルの治療で処方される薬
ヘアメディカルの治療で処方される薬は、単剤処方治療とアドバンスト発毛治療で異なります。
単剤処方治療
単剤処方治療はAGAの原因になる物質をブロックして抜け毛が増えるのを防ぐための治療法で、フィナステリド錠やプロペシア、ザガーロの中の一つが処方されます。
プロペシアはフィナステリド錠のジェネリックなので、成分は同じ「フィナステリド」です。
男性型脱毛症は、男性ホルモンが悪玉化してできたジヒドロテストステロンによって引き起こされます。
ジヒドロテストステロンはヘアサイクルを乱してしまいます。
正常なヘアサイクルならば、5年前後の成長期を経て退行期、休止期と進みます。
成長期には健康的な髪が育ちます。
しかしヘアサイクルが乱れると、成長期が大幅に短縮されます。
成長期が数か月で終わる場合もあります。
すると髪が生えてきても十分に成長せず、細く弱々しい髪の割合が多くなり、そして抜け落ちていきます。
フィナステリドは、男性ホルモンを悪玉化する5αリダクターゼ2型の作用をブロックする働きがあります。
その結果、ジヒドロテストステロンの生成を抑えてAGAの進行を止めることができます。
ザガーロの成分は「デュタステリド」です。このデュタステリドにも5αリダクターゼを阻害する働きがあります。
ただしフィナステリドと違い、1型と2型の両方の5αリダクターゼの作用をブロックすることができます。
そのためフィナステリドでAGA治療効果が得られなかったかたが、ザガーロによってAGAの進行を抑えることができた例も多いです。
アドバンスト発毛治療
アドバンスト発毛治療はAGAの進行を防ぐと同時に発毛させるための治療法で、単剤処方治療で使われる治療薬に加えミノキシジルも処方されます。
アドバンスト発毛治療で処方されるミノキシジルは、内服薬と外用薬に使用されています。
ミノキシジルには血管を拡張して血行を良くする効果があります。
AGAが進行している頭皮は血流が悪く、毛根部分に血液があまり流れていないケースが多いです。
毛根周辺に流れる血液量が少ないことは、髪の成長に必要な栄養分が届かないことを意味します。
そのためミノキシジルの持つ血行促進効果は、発毛にたいへん重要な要素になります。
内服薬と外用薬の両方に配合することで、血流をよりスムーズにすることができます。
ミノキシジルとフィナステリド、デュタステリドを併用することで、より効果的に薄毛治療ができます。
ヘアサイクルを正常化させ、その上で毛根に十分な栄養分を運ぶことで強く健康的な髪を生やします。
また外用薬にミノキシジルゲルを用いることで、液状タイプ以上の効果が期待できます。
液状タイプは塗布してもすぐに垂れてしまうため、特に生え際には有効成分を留めておくことが難しい状態でした。
しかしミノキシジルゲルはゲル状タイプで、塗布した部分に成分が残る性質があります。
そのため今までは改善するまでに時間がかかったM字部分などの生え際ですが、より早期の発毛効果が期待できます。
ヘアメディカルのアドバンスト発毛治療では、患者の症状に合った薬やサプリメントが処方されます。
そのため検査でザガーロのほうが効果的と判断した場合はフィナステリドではなくザガーロが処方され、生え際の発毛を目的とするならばゲルタイプのミノキシジル外用薬が処方されます。
ヘアメディカルの治療で処方される薬に副作用はある?
ヘアメディカルの治療で処方される薬には副作用があるため注意が必要です。
フィナステリドの副作用
フィナステリド錠やプロペシアの主成分「フィナステリド」の副作用は、肝機能の低下や性機能の低下、体の女性化、うつ症状などです。
肝機能の低下
まずフィナステリドで最も注意したい副作用が肝機能の低下です。
肝機能が悪化しても症状が出ないことが多いため、自覚症状が出た頃には肝機能障害が進んでいることも少なくありません。
肝機能障害がさらに進行すると肝不全や肝硬変、肝臓がんになる危険性も出てきます。
ただし肝機能が低下する副作用は、ほとんどの患者で確認されていません。
もともと肝機能が良くないかたが服用を続けた場合に、さらに悪化する恐れがあると考えられています。
ヘアメディカルでは血液検査で肝機能の状態を常に把握するようにしています。
AGA治療前の検査では、治療薬を飲んでいない状態の健康状態を調べます。
治療開始後は半年ごとに血液検査が行われ、肝機能に障害が見られないか確認します。
性機能の低下
性機能の低下の具体的な症状は、性欲減退やED、精液の減少などです。
発症率は2%未満と低いです。
また「フィナステリドを摂取するとEDになる」と思い込み、それが心因性のEDを引き起こす恐れもありますので、必要以上に考えすぎないことも大事です。
フィナステリドで男性ホルモンの働きを抑えるため、体の女性化も見られます。
長期の服用で体つきが丸みを帯びたり、女性の更年期のような症状が出たりすることもあります。
うつ症状は1%の発症率があります。
ただしフィナステリドと直接関係がないことも多いので、過剰に気にすることもないでしょう。
アレルギー症状
これらの他に、アレルギー症状が出る場合もあります。
ただし添加物による副作用の要素のほうが強いです。
アレルギー体質のかたは医師にその旨を説明し、飲みはじめの時に注意することをおすすめします。
男性ホルモンの数値
フィナステリドの影響で、血液検査の男性ホルモンの数値は低くなります。
血液検査では前立腺の健康状態を示すPSAがありますが、その数値も下げてしまいます。
そのため前立腺に関する病気が見逃される恐れがあります。
健康診断の際は、フィナステリド配合薬を飲んでいることを伝えましょう。
フィナステリドは女性にとって危険
またフィナステリドは女性にとって危険な成分です。
特に妊娠中の場合、胎児の生殖器に異常が発生する恐れがあります。
服用しないだけでなく、触らないように注意が必要です。
授乳中の女性もやはり触れないようにする必要があります。
デュタステリドの副作用
ザガーロの主成分「デュタステリド」の副作用は、フィナステリドとほとんど同じです。
ただしザガーロはフィナステリドよりもAGAの原因となる酵素をブロックする働きが強いため、副作用が強く出る可能性もあります。
成分が体内に残る期間も長いため、副作用の症状が現れるリスクもフィナステリドよりも高くなります。
ミノキシジルの副作用
ミノキシジルの副作用は、内服薬と外用薬で異なります。
内服薬は頭皮だけでなく全身に影響を及ぼします。
ミノキシジルの持つ血管拡張効果によって、動悸やめまい、むくみなど循環器に関する副作用が現れる危険性があります。
また眉毛やヒゲ、脚の毛などの体毛が濃くなる可能性もあります。
外用薬の副作用は頭皮の赤みや湿疹、かゆみなどです。
特に塗布した部分に強く副作用が出ます。
まとめ
ヘアメディカルの治療で処方される薬の種類と副作用について見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 処方される薬はフィナステリドやプロペシア、ザガーロ、ミノキシジル
- フィナステリドやザガーロの副作用は肝機能の低下や性機能の低下、体の女性化、うつ症状など
- ミノキシジルの副作用は内服薬の場合は動悸やめまい、むくみなど、外用薬の副作用は頭皮の赤みや湿疹、かゆみなど
ヘアメディカルでは毎月の診察と半年ごとの血液検査で、副作用が強く出ないことを確認しながら治療を行っています。
もし何かしらの異常を感じたら医師に相談することが大切です。
対処が遅れると、AGA治療を中断する期間が長くなってしまいます。