薄毛の内服薬には、AGAの進行を抑えるものや、血行を促進して発毛を促すものなどいくつかのタイプがあります。そのどちらかを服用したり、両方を併用するなど症状に合った薬を使用して薄毛を治療していきます。
ここでは内服薬の効果と種類、外用薬との違いについて見ていきたいと思います。
薄毛の内服薬は効果がある?
薄毛を治療するための内服薬にはプロペシアやミノキシジルタブレットなど様々なものがあります。
プロペシアやミノキシジルといった医薬品は、薄毛治療薬として厚生労働省でも効果が認められたものです。
そのため、内服薬の薄毛治療効果は充分に期待することができます。
薄毛の内服薬の種類
フィナステリド錠(プロペシア、ファイザー)
プロペシアやファイザーなどのフィナステリド錠は、男性ホルモンを抑制してAGAの進行を食い止める作用を持ちます。
現在国内で認められているAGA治療薬では最も効果があり、3ヶ月~半年程度で効果を実感することが可能です。
ただし、フィナステリド錠の効果はあくまでAGAの進行を食い止めるのみであり、発毛・育毛効果は期待できません。
AGA対策と同時に新しい髪を生やしたい方は、後述のミノキシジルとの併用が必要です。
デュタステリド錠(ザガーロ)
デュタステリドはフィナステリドと同様、男性ホルモンの働きを弱めてAGAを改善する効果を持っています。
デュタステリドの錠剤であるザガーロは、プロペシア・ファイザーと並んで国内で認められているAGA治療薬のひとつです。
AGAクリニックによっては、フィナステリド錠ではなくデュタステリド錠を処方する場合もあいります。
あまり聞き慣れない名前ですが、AGA改善効果は充分に期待できる治療薬です。
ミノキシジルタブレット
ミノキシジルタブレットは、その名の通り育毛成分ミノキシジルの錠剤です。血管を拡張して血行を促進し、髪の成長を促す効果があります。
フィナステリドやデュタステリドのようにAGAの進行を食い止める効果はありません。
AGAによる薄毛を改善したいのであれは、フィナステリドもしくはデュタステリドと併用することが重要です。
AGAクリニック独自の治療薬
AGAクリニックによって、フィナステリドやミノキシジルを配合した独自のAGA治療薬を扱っていることがあります。
フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルだけでなく、その他育毛成分を豊富に含有していることがほとんどで、通常の治療薬よりもAGA改善効果は高くなっています。
その分、価格も高い傾向にありますが、AGAクリニックに通うのであればぜひ利用したい治療薬です。
薄毛の内服薬で効果が出るまでの期間や費用
薄毛の内服薬には様々な種類があり、種類によって価格や効果が出るまでの期間が異なります。
内服薬の種類ごとの価格、期間、特徴をご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
プロペシア(フィナステリド)
費用:7,000~9,000円(1ヶ月)
期間:6ヶ月
プロペシアはアメリカの大手製薬会社が開発したAGA治療薬です。含有成分のフィナステリドが男性ホルモンの働きを抑制することで、AGAの発症・進行を阻止します。
価格は一般的に7,000円程度ですが、クリニックによっては9,000円と少々高めに設定されている場合もあります。
効果が出るまでには6ヶ月程度の期間が必要です。期間には個人差はあるので、人によっては3ヶ月程度で効果が実感できる可能性もあります。
プロペシアはAGA治療薬なのでAGAの予防や進行阻害には効果的ですが、発毛・育毛効果は期待できません。
髪を生やして薄毛を改善したいのであれば、別途発毛効果のある医薬品や育毛剤を使用しましょう。
ファイザー(フィナステリド)
価格:4,000円程度
期間:6ヶ月
ファイザーはプロペシアのジェネリック医薬品なので、価格が4,000円前後まで安くなっています。
含有成分はフィナステリドで、効果が出るまでには6ヶ月程度の期間が必要です。
なお、ジェネリック医薬品とは特許の切れた医薬品を安価なコストで製造したものです。
実はプロペシアの特許はまだ切れていません。そのため、ファイザーにはプロペシアを無視できる特別な特許があるのではないかと考えられています。
ザガーロ(デュタステリド)
価格:8,000~13,000円
期間:3~6ヶ月
ザガーロは、2015年に国内での販売が許可された新しいAGA治療薬です。
主成分はデュタステリドで、プロペシアやファイザーなどに含まれるフィナステリドよりもAGA改善効果が高いと言われています。
その分価格も高く、10,000円を超える場合もあるようです。
効果が出てくるまでの期間は3~6ヶ月程度です。期間には個人差があるので、最低でも半年程度は継続するようにしましょう。
ミノキシジルタブレット
価格:3,000~5,000円
期間:4~6ヶ月
ミノキシジルタブレットは、育毛有効成分のミノキシジルを主成分とする錠剤です。
AGAを治療するのではなく、髪の成長を促進して発毛・育毛の手助けを行います。
ミノキシジルタブレットのみではAGAの進行を止めることはできないので、AGAを治療したいのであれば上記のAGA治療薬と併用するようにしましょう。
AGA治療薬とミノキシジルタブレットを併用することで、より高いAGA治療効果を実感することができます。
価格は1ヶ月3,000~5,000円程度と、上記のAGA治療薬よりも安くなっています。
効果が出るまでの期間は4~6ヶ月で、他の治療薬と同程度です。
薄毛の内服薬と外用薬の役割の違い
内服薬の役割
フィナステリド錠・デュタステリド錠
薄毛の内服薬の役割は、「体の内側から男性ホルモンの働きを抑制すること」にあります。
経口摂取した内服薬は肝臓で分解され、血液に乗って頭皮に届きます。そこで、男性ホルモンの働きを抑制してヘアサイクルの乱れを正常化します。
AGAは体の内側で男性ホルモンと毛母細胞が反応にすることによって起こります。
そのため、一般的に外用薬よりも内服薬のほうがAGAに対する改善効果が高い傾向にあります。
AGAを治療したいのであれば、内服薬タイプのAGA治療薬を使用することが大切です。
ミノキシジルタブレットなどの内服育毛剤
ミノキシジルタブレットなどの内服タイプの育毛剤は、「血行を促進して髪に栄養を届きやすくする効果」を持ちます。
食べ物からの栄養はもちろん、フィナステリド錠やデュタステリド錠の成分を髪に効率的に届ける役割を果たします。
その他の育毛成分も髪に届けることができるので、効果を早く実感したいのであれば他のAGA治療薬と併用するようにしましょう。
逆に、ミノキシジルだけではAGAを治療することはできません。
ミノキシジルはあくまで血行を促進するだけなので、AGAによる薄毛を改善したいのであれば必ず他の治療薬と併用するようにしましょう。
外用薬の役割
頭皮の血行促進
外用薬にはミノキシジルなどの血行促進効果を持った育毛成分が含まれています。
直接頭皮に塗布することによって、体の外側から血行を促進します。
血行が促進すれば髪の成長も早まるので、育毛効果を高める効果が期待できます。
ただし、ミノキシジルタブレットなどの内服薬よりも効果は小さい場合が多くあります。
実際の薄毛治療では、内服薬がメインで外用薬はサポートとして処方される場合が多いです。
頭皮環境の改善
頭皮に直接塗布することで、炎症や過剰な皮脂などの皮膚の表面のトラブルを改善してくれます。
劣悪な頭皮環境は、脂漏性脱毛症などの原因にもなります。
頭皮環境の悪化による脱毛症が疑われる場合、外用薬による薄毛治療は非常に効果的です。
薄毛の内服薬を処方してもらう方法
AGAクリニックでの治療は内服薬での治療が基本になるため、AGAクリニックで治療をはじめれば内服薬を処方してもらうことができます。
AGAクリニックは最近増えてきているため、通いやすいクリニックや自分に合ったクリニックを探すこともできます。
費用や場所、クリニックの治療スタイルや理念などを比較して、自分にあったクリニックを見つけ、カウンセリングなどを経て内服薬を処方してもらいましょう。
まとめ
薄毛治療の内服薬と外用薬について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- 内服薬は体の内側から男性ホルモンを抑制しAGAの進行を阻止する。
- 内服薬は半年程度で効果を実感できる。
- 外用薬は内服より効果が小さいが、育毛効果を高める。
頭皮の状態や薄毛のタイプによって、自分に合った薬を使うことが大切です。
まずは自分に合ったクリニックを見つけて、カウンセリングを受けて納得した上で薬での治療を始めていきましょう。