生活習慣病に良いとしてテレビや雑誌でも注目されているDHAですが、薄毛への効果も期待できます

ここではDHAを摂取することで得られる薄毛への効果と、副作用や過剰摂取時のリスク、効果的な摂り方、サプリメントの飲み方について見ていきたいと思います。


薄毛対策にDHAを摂取することで期待される効果

頭が良くなる物質として知られるDHAですが、薄毛にも一定の効果を期待することができます。


頭皮の血行不良を改善する

まず、DHAには血行不良を改善する効果があります。

これは、DHAに赤血球を柔らかくする作用があるためです。

頭皮には血管がたくさんあり、ここから栄養素を受け取ることで髪の毛は成長することができます。

特に頭皮は毛細血管と呼ばれる非常に細い血管が通っていて、血液の流れが正常でないと末端まで血液を届けることができず、薄毛の原因になります。

毛細血管のような細い管を血液が通るためには、赤血球が通りやすいように変形することが必要です。

しかし、DHAが不足し、赤血球が硬くなってしまうと、毛細血管のような狭い管の中を赤血球は通ることができなくなります。


ストレス解消効果

また、DHAにはストレスを解消する効果もあります。これは、DHAを適量摂取することでセロトニンの分泌を活発にするためです。

セロトニンは脳内ホルモンの一種で、リラックスした状態やストレスを緩和するために必要なホルモンです。

ストレスが溜まり続けると自律神経に乱れを生じさせ、ホルモンバランスの悪化や血行不良を引き起こします。


AGAにはほとんど効果がない

ストレスや血行不良は薄毛の原因になりますので、これを改善する上でDHAを摂取することに一定の効果が期待できます。

しかし、薄毛対策に効果があるとは言え、AGAのような男性ホルモンに由来する薄毛にはほとんど効果がありません。DHAを摂取したからと言って、すべての薄毛に対して効果があるとは限りません。

DHAが薄毛に効果を及ぼすのは、あくまで血行不良が原因のものに限ります。

それでも、現代人が摂取するDHAの量は年々減少する傾向にあり、DHAの不足が薄毛を招いている可能性は少なからずあります。

薄毛に悩み始めたら、まず食生活の改善を心がけ、その過程でDHAの摂取を取り入れてみましょう。


DHAの副作用と過剰摂取した時のリスク

血液の状態を改善する働きのあるDHAですが、副作用過剰摂取した時のリスクには注意する必要があります。

適量を摂取している分には副作用は特に起きません。厚生労働省では1日1g以上摂取することが推奨されていますし、アメリカの食品医薬局では3~4g程度を適量としています。

ただし適量を大きく超えてDHAを過剰摂取してしまった場合は、副作用が出ることがあります。


止血しにくくなる

まず止血しにくくなる場合です。私たちの体は血が出たらそれを止める機能が働きます。血小板がかさぶたを作ることで止血されます。

しかしDHAの持つ血液サラサラ効果で血の巡りが良くなると、逆にリスクになってしまいます。

血小板がかさぶたを作るまでの時間が延びるため、ケガをしていたり歯の治療など出血を伴う場合には注意が必要です。


鼻血が出やすくなる

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鼻血が出やすくなる報告もされています。これもやはり血液の流れがスムーズになることで引き起こされます。

鼻血が頻繁に出る場合はDHAの過剰摂取の可能性がありますので、摂取量を減らすことをおすすめします。


血圧が低下する

血液の循環が良くなると同時に血圧も下がります。

ワーファリンなど血流を良くする薬を飲んでいる人は注意が必要です。血圧の低下はめまいや倦怠感を引き起こし、ひどくなると失神する場合もあります。


消化不良を起こす

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次に消化不良になる場合です。これは脂肪分が主な原因です。

DHAの栄養素は脂肪分なので、過剰に摂取するとたくさんの油を胃の中に収めることになります。

すると胃腸に負担がかかってしまい消化不良につながります。

このような副作用が起きないように、DHAの摂取量は適量になるように調整する必要があります。


大量に食べると肥満につながり、水銀の害もある

イワシやサバなどの青魚にはDHAが豊富に含まれています。これらの魚には他にも良質なタンパク質やビタミン、そして脂肪分が含まれています。

特に脂肪分は不飽和脂肪酸なので動脈硬化が進行するリスクが少ないです。ただしカロリーは決して低くないため、大量に食べると肥満につながります。

さらに魚には少量ですが水銀が含まれています。大量に食べると体に毒が溜まることになります。


食事とサプリメントを併用する

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DHAを安全に摂取するためには、食事とサプリメントを併用することをおすすめします。その際サプリメントのDHA含有量は適量の半分、2g程度にとどめておきましょう。

サプリメントの場合は工場で生産される過程で水銀は除去されます。また魚はカロリーにも注意が必要ですが、サプリメントはその必要はありません。

一粒にDHAが何グラム入っているかしっかり明記されていますので、摂取量をより正確に計算することができます。


薄毛対策で効率的にDHAを摂取する方法とサプリ

薄毛対策で効果の期待できるDHAですが、効率的に摂取するポイントとして食事での素材選びや食べ方、そしてサプリメントの活用があります。


DHAを豊富に含む食材は青魚

まず食事ではDHAを豊富に含む食材を選ぶ必要があります。サンマやアジ、クロマグロなどの青魚がおすすめです。

同じ魚でも獲れる時期や部位によってDHAの含有量は変わります。例えばマグロの場合は赤身よりもトロのほうが多く含まれています。

また春に獲れるカツオよりも秋に穫れるカツオのほうが多く含まれています。いずれも脂がのっているのが特徴です。


より効果的な青魚の食べ方

次に食べ方です。DHAをしっかり摂る目的では刺し身がベストです。脂肪の多い部分をそのまま食べることがDHAの摂取に効果的だからです。

揚げ物や煮物など脂肪分が落ちてしまう調理法は、味は良くなりますが体への吸収量は少なくなります。

ただし毎回刺し身にするとワンパターンで飽きてしまい、魚を食べるのをやめることに発展しかねません。ですから調理中に流れ出た脂分を体内に取り込む工夫をする必要があります。

煮物の場合は煮汁まで飲むようにしたり、焼く場合は脂肪分をソースの一部として利用するなどするといいでしょう。魚を丸ごと食べるイメージです。

缶詰でも身の部分と一緒に汁も食べるとDHAは効率的に摂取できます。


βカロテンやビタミンEと一緒に摂る

このようにして体内に取り入れたDHAはできるだけ酸化させないことが大切です。そのためにはβカロテンやビタミンEなどの成分と一緒に摂ることが大切です。

βカロテンはピーマンやかぼちゃなどの緑黄色野菜に多く含まれていますし、ビタミンEは唐辛子やアーモンドなどに多く含まれています。

かぼちゃやほうれん草はβカロテンとビタミンEの両方が豊富に含まれているのでおすすめの食材です。


DHAサプリメントの飲み方とタイミング

最後にDHAサプリメントの摂取ですが、飲み方や飲むタイミングがポイントになります。

まずサプリメントは水で飲むことが大切です。ぬるま湯で飲んでしまうと熱で酸化する恐れがあるためです。

お茶やジュースなどで飲むことも、飲み合わせが悪かったり添加物のせいで吸収が阻害される恐れがあるためおすすめできません。

飲むタイミングは成分の吸収率が高くなる食後がおすすめです。食後は胃の中に入った食べ物の消化と吸収が活発に行われます。

それと同時にサプリメントを摂取することでDHAの吸収率も高くなります。

また毎食後に一粒ずつ飲むなど、1日のうち何回かに分けて飲むことをおすすめします。一度に大量のDHAを摂取すると吸収しきれずに尿と一緒に排出されるからです。

そしてサプリメントの有効成分をしっかり体に作用させるためには、毎日忘れずに飲み続けることが大切です。


まとめ

薄毛対策とDHAについて見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • DHAの薄毛への効果は頭皮の血行不良の改善と、ストレス解消。
  • AGAにはほとんど効果はない。
  • 魚を過剰に摂取すると悪影響なのでサプリメントも併用すると良い。

DHAを摂取することによるメリットは大きいですが、過剰に摂取することによる悪影響も大きいです。

意識して摂取したい成分ではありますが、摂取量が過剰にならないよう注意することが大切です。食事とサプリメントを上手く併用して、薄毛改善に活用していきましょう。