薄毛にも様々なタイプがありますが、全体的にスカスカ薄毛になるタイプについて見ていきます。

AGA(男性型脱毛症)は部分的に進行することが多く、FAGA(女性の男性型脱毛症)は全体的に薄毛になることが多いようです。

なぜスカスカ薄毛になってしまうのか、そしてどんな対策を行うのが効果的なのかご紹介します。


全体が薄毛になる原因

まずは髪質をチェック

全体的に薄毛が気になる人はいきなり独断で治療を始めずに、まずは髪質をチェックすることが大切です。

もし髪の毛が細く柔らかい場合、栄養バランスが崩れていたり血行が滞っていることが考えられます。

髪の毛を作る栄養が足りなかったり、栄養を運ぶために重要な毛細血管が機能していない場合もあります。

本来髪の毛は1つの毛穴から2、3本集まって生えますが、上記のような条件で頭皮そのものに栄養が不足していると全体的に薄毛の症状が出るようです。


頭皮環境の悪化が原因

薄毛が頭部の全体的に見られる場合、頭皮環境が悪化していることが考えられます。

特に皮脂が過剰に分泌され毛穴が塞がると、毛根細胞が弱ってしまいがちです。

外食やジャンクフードを食べる機会が多い人は、食生活の見直しが必要です。

また、乾燥肌の人が洗浄成分の強いシャンプーを使うと、乾燥を補おうとして油分を余計に分泌したり、頭皮や毛髪にダメージを負うケースもあります。

自分が使用しているシャンプーの成分の確認もヘアケアの一環です。

シャンプーは、地肌に優しくてしっかり汚れを落とせる、オーガニックのスカルプケアシャンプーがおすすめです。

元々髪の毛が丈夫な人でも、外部からストレスを受け続けることによって薄毛になる可能性は大いにあります。

適度な運動は血行を良くしたり、ストレス発散に大きな効果があります。

少し早足のウォーキングをするだけでも効果があるので、日々の生活に取り入れると良いでしょう。


女性の場合はFAGAやびまん性かも

最近増えているFAGA(女性の男性型脱毛症)は、AGAのように部分的な脱毛ではなく全体的に髪の毛が薄くなるのが特徴です。

FAGAは栄養バランスを整えたり、専門外来での治療が効果的だとされています。

血液検査なども詳細に行ってくれるので、気になる方は一度カウンセリングを受けると良いでしょう。

一方で毎日同じ髪型をしていたり分け目をずっと変えていない人は、瀰漫(びまん)性脱毛症かもしれません。

瀰漫(びまん)性脱毛症は治る確率の高い脱毛症なので、早めのケアと対策が有効です。


全体的に薄毛になった時の対策

生活習慣の改善

全体的に薄毛の症状が出る場合、ホルモンによる作用よりも生活習慣の影響が強いとされています。

運動不足、偏った食生活、アルコールやタバコ、寝不足などが、薄毛を引き起こす生活の悪い習慣です。

血行が良くないと、必要な栄養や酸素が頭皮まで届けられません。

そのため適度な運動や、血液をサラサラに保つ食品を食べることが有効とされています。

髪の毛を作るために必要な成分は体の代謝や分解にも必要なので、アルコールやタバコの量が多いと、栄養が不足してしまいます。

有効成分を多く含む食品を積極的に食べたり、サプリメントを活用するのもおすすめです。


丁寧なヘアケアも効果的

薄毛の症状が出た場合、日常的に行なっているヘアケアを見直すのも大事です。

脂性肌の人は皮脂の分泌が活発なので、しっとりとした仕上がりのシャンプーなどは使わないようにしましょう。

逆に乾燥肌の人が洗浄力の高すぎるものを使うと、乾燥が進んだり頭皮に負担がかかるのでアミノ酸系のシャンプーや、オーガニックなどの優しい成分のものを選ぶようにしてください。

洗髪時に地肌をマッサージするように丁寧に洗うと、血行が良くなりその後に使う育毛剤やエッセンスの効きが良くなります。

美容院に行く時にヘッドスパなどの施術を受けるのも、頭部全体のコンディションが整うのでおすすめです。


効果が現れない場合は専門外来へ

全体的な薄毛の症状は、ホルモンの影響は薄いとされています。

ですが薄毛対策の効果が現れない場合、AGAの専門外来に行くのもおすすめです。

多くのクリニックでは、初回来院時に丁寧なカウンセリングや体質検査が受けられます。

その上で自分に足りない栄養を補うためのサプリメントを処方してもらえたり、メソセラピーなどの症状に合わせた治療の選択が可能です。

特にFAGAはクリニックでの専門的な治療が有効とされていますので、自己判断だけでは不安な人は試すと良いでしょう。

AGA専門外来のほとんどは完全予約制であまり目立たない作りになっているので、人目を気にせず安心して通えます。


全体が薄毛でも目立たない髪型

パーマでボリュームアップ

薄毛に悩む人に性別関係なくおすすめしたいのが、パーマでボリュームを増やす方法です。

細かいウエーブをつければニュアンスがあって、おしゃれに薄毛をカバーできます。

男性ならミディアム、女性ならロングヘアの長めの髪型にぴったりです。

大きめのロッドで緩やかなカールをつければ、全体をナチュラルにボリュームアップできます。

男女ともショートからボブの短めなスタイルに良く合います。

パーマをかけると頭皮に余計ダメージがかかりそうなイメージがありますが、最近は技術の進歩により髪の毛に優しいパーマ剤も多く登場しています。

クリスタルパーマなどの熱を与えないコールドパーマが特に髪の毛に優しいので、美容師さんに相談してみてください。


短髪ですっきりと清潔感を

薄毛の人がマッシュカットなどの重めスタイルにすると、ボリュームが足りなかったり、髪の毛の重みで薄毛が余計目立ちます。

特に男性は短髪ですっきりさせるとあまり薄毛に目が行かず、オフィススタイルにも対応できます。

サイドや後ろの髪の毛を刈り上げた髪型は、残された髪の毛が相対的に多く見えるのでおすすめです。

ツーブロックやスポーツ刈りなど、工夫次第で、薄毛が気にならないおしゃれな髪型を試すことができます。


女性はボブやショートがおすすめ

薄毛に悩む女性には、ショートからボブのスタイルがおすすめです。

あまり長いと髪の毛の重みで地肌や分け目の薄さが際立ちますが、短いとふんわりと髪の毛が立ち上がるので自然に毛量の少なさがカバーできます。

スタイリングをする時には大きめのカーラーで後ろの部分を巻いておいたり、跡の付かないヘアクリップでトップの毛をまとめると傷めずにボリュームアップできます。

またワックスやヘアスプレーの使用は毛穴に悪影響なので、シアバターやミツロウなどを使った天然のスタイリング剤を使うのがおすすめです。

これらは良質な油分で髪の毛をケアしてくれるので、髪型をキープしつつツヤが出て髪の毛がきれいに見えます。


全体が薄毛になった後の症状の進行

こまめなチェックが大事

全体的な薄毛はAGA(男性型脱毛症)とは違い、男性ホルモンの影響は薄いとされています。

血行不良や、栄養バランスの崩れ、皮脂の過剰分泌など・・・どちらかと言えば、生活習慣の乱れが主な原因のようです。

そのため全体的な薄毛は徐々に進行し、自分では分かりづらいのが難点です。

乱れた生活を続けて行くうちに、少しずつ髪の毛が抜けて行くので自覚できるまで時間がかかります。

全体的な薄毛が進むと、まず分け目やつむじが大きくなります。

その後さらに症状が進むと照明や太陽光の下などの明るい所で地肌が目立ち、多くの人が薄毛を自覚します。

そのまま放置すると、室内の暗い場所にいても薄毛が分かるほど進行が進みます。

全体的な薄毛は時間こそかかるものの、習慣を改めることで治療が可能です。


油分に要注意

全体的な薄毛で悩む人の多くは、皮脂の分泌が平均より多い傾向にあります。

元々の肌質もありますが、食生活による影響が強いようです。

外食で、ジャンクフードや肉料理を良く食べる人は注意が必要です。

動物性のタンパク質や脂肪をたくさん摂りすぎると、血管を塞いで血流が滞る原因になります。

さらに皮脂の分泌量も増えるので、それにしたがって毛穴を塞いで脱毛量も増えます。

自分が脂性肌か分からない場合は、顔の状態を見ると良いでしょう。

ニキビができやすかったり、人よりもテカりやすいとその可能性が高いです。

外側からのケアも大切ですが、野菜を食べる量を増やしたり、同じ動物性の食品でもDHAを含むをメインにするのがおすすめです。


血行促進が効果あり

全体的な薄毛は、血行不良が大きな要因です。

古くから中国では髪の毛のことを「血余」と呼んでいました。

血の巡りが活発だと、細胞の働きも良くなって丈夫な髪の毛がたくさん生えると考えられていました。

AGA専門外来で血行を良くする薬を処方するなど、現代でもその考えが正しいことが証明されています。

血行が悪いと頭皮の毛細血管が機能しないため、発毛のリズムが狂ってしまいます。

頭皮が硬い人は血行が悪い可能性が高いので、洗髪時のマッサージを続けると改善されます。


まとめ

全体的に薄毛になる原因と対策について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • まずは髪質をチェックし栄養不足でないか確認すること。
  • 生活習慣を改善しヘアケアを見直しても効果が無いならクリニックを受診すること。
  • 髪型を工夫したり、マッサージで血行を良くすることも効果的。

全体的なスカスカ薄毛の原因は、AGAなどのホルモン的なものではなく、生活習慣や頭皮の環境の悪化によるものが多いようです。

また女性の場合は全体的な薄毛はFAGAであることが多いようです。

いずれにせよ独断で治療をせずに、生活習慣を見直し、専門医を受診することをおすすめします。