頭頂部や前頭部から進行していくことが多い薄毛の症状ですが、薄毛と呼ばれる基準や目安はあるのでしょうか。
ここではつむじから進行するタイプの薄毛の基準、生え際から進行するタイプの薄毛の基準、おでこの広さで見る薄毛の基準、そして女性の薄毛の基準についてご紹介します。
つむじハゲ、薄毛と呼ばれる基準や目安
額の広さが6センチ以上
髪の毛のボリュームは人によって異なりますが、薄毛症状が出ている目安はおでこの広さで確認するのが一般的です。
男性の場合、生え際が後退するM字型脱毛症が多いからです。
元々の広さにもよりますが、指4本を当てた面積よりも額が広かったり、メジャーなどで測って7cm以上あったら薄毛の可能性があります。
育毛メーカーが行なった調査によると、6cmでも薄毛だと感じる人も多くいるので、元々おでこが狭い人は注意しましょう。
他にもおでこにシワを作って、1番上のシワから2cm以上あると髪の毛が薄くなっているかもしれません。
以前と比べて明らかにおでこが広くなったと感じたら、皮膚科やAGA専門外来で医師の診断を受けると良いでしょう。
つむじが大きく頭皮が赤くなったら
一般的にAGA(男性型脱毛症)の症状が出やすいのは、男性ホルモンの影響を受けやすい頭頂部から前頭部だとされています。
生え際から薄毛が始まる場合は自分でも分かりやすいのですが、頭頂部から薄毛になるO字型脱毛は目視しにくい難点があります。
自分の家でチェックする場合、洗面台などで合わせ鏡をして自分の頭皮の状態を確認すると良いでしょう。
その時に目安にしたいのは、つむじの大きさと地肌の色です。
以前よりもつむじが大きくなっているように感じたり、地肌が赤く傷んでないか確認しましょう。
美容室や理容室で最後の確認で合わせ鏡をする時に確認しても良いですが、家庭より明るい照明なので分かりづらいかもしれません。
専門のチャートでの診断も有効
1942年にアメリカ人皮膚科医のハミルトン氏が作成し、後年にノーウッド氏がまとめた薄毛の進行症状をチャート化した、H-N分類を参考にするのもおすすめです。
健康な状態を1として頭頂部から薄毛が始まると2-vertex、生え際からだと2、のようにイラストと合わせて分類されているので、分かりやすいです。
自分の頭皮の環境を確認してこの分類チャートと照らし合わせると、より精度の高い自己判断が可能です。
薄毛と呼ばれる生え際の状況の基準や目安
頭頂部と生え際の距離の割合
薄毛の症状は人により実に様々で、一概にこうなったら薄毛とは言い切れません。
ですが専門外来で用いられている医学的な目安も存在するので、不安な人は参考にすると良いかもしれません。
AGA(男性型脱毛症)の場合前頭部と頭頂部に症状が出やすいです。
つむじ辺りから薄毛が始まるO字型、生え際から始まるM字型の2つに分けられます。
AGA専門外来では耳と頭頂部を結んだラインを境界線にして、生え際との距離が2cm以下であればAGAと診断され、治療を進められます。
この方法なら自宅でもできるので、一度試してみることをおすすめします。
額の広さが7cm程になったら
おでこの広さは人によってまちまちですが、興味深いデータがあります。
育毛剤メーカーであるアンファー株式会社が行なった調査によると、おでこの広さが7cmを超えると薄毛に見えるとの意見が最も多いことが明らかになりました。
続いて多かった意見が6cm以上でした。
ここでは眉毛から生え際までの距離をおでこの広さとしています。
もちろん顔の骨格や元々のおでこの広さにもよりますが、1つの目安にしてみても良いかもしれません。
柔らかい素材のメジャーを使うと自分1人でも計測できるので、生え際が分かりやすいお風呂上がりに測ってみてはいかがでしょうか。
自分で生え際に異変を感じたら
おでこの広さや生え際の状態は、人により実に様々です。
AGA専門外来の診断基準や生え際と眉毛の距離の計測など、目安はたくさんありますが、一番大切なのは毎日の確認です。
以前と比べて生え際が後退していたり、髪の毛自体が弱く細くなっていたらAGAの可能性があります。
薄毛対策は早ければ早いほど効果が出やすいとされているので、気になった時点で専門家にアドバイスをもらった方が良いでしょう。
多くのAGA専門外来は初回来院時に丁寧なカウンセリングと、血液や体質検査を行ってくれるので、自分でも気づかなかった生活習慣の悪い点が見つけられます。
薄毛と呼ばれるおでこの広さの基準、目安
大手メーカーの調査では7cm以上
育毛グッズでおなじみのアンファー株式会社が、2014年に男女500名を対象に行なった薄毛に対する意識調査では以下のような結果が得られました。
「おでこの広さが何cm以上だと薄毛だと感じますか?」との質問に対して、7cm以上と答えた人が男性43%、女性46%と最も多かったです。
男性と比較すると女性の方が薄毛に厳しい基準を持っている場合が多く、6cm以上でも薄毛であると答えた人は42%にも上りました。
おでこの広さは個人差が大きく、骨格やもともとの広さによる部分も大きいので、あくまで目安として捉えるのが良さそうです。
O.T.ノーウッド式で判断
アメリカ人皮膚科医として有名なO.T.ノーウッド氏は、薄毛研究の権威でもありました。
彼が発明した薄毛かどうか判断する時の基準は、O.T.ノーウッド式として多くのAGA専門外来で用いられています。
その方法は耳の上の部分と頭頂部を結んだラインを目印にして、生え際との距離が2cm以下だと薄毛の疑いがあると判断できるものです。
ただしこの方法は頭蓋骨が縦長の欧米人の骨格をベースに考案されたもので、日本人のように正円に近いアジア人の骨格で試すと正確な判断が難しいとの意見もあります。
ですが、この方法は自宅でも簡単にできるので、まずは1人で判断したい人にもおすすめです。
指の本数で簡易的にチェック
自宅に計測するための器具がなかったり、道具を使って長さを測るのがめんどくさい人には指を使ったチェックがおすすめです。
それは指をおでこに横に乗せて4本以上のスペースがあれば、おでこが広い目安になります。
元々おでこが広くないのに、指が4本以上乗せられるスペースがあれば薄毛の症状が進行しているかもしれません。
他にはおでこにシワを寄せて、1番上のシワと生え際の間に指が2本以上置ければ薄毛の可能性があります。
あくまで目安を知るための方法なので、自分が当てはまったからといって深刻に受け止め過ぎない方が良いです。
女性の薄毛の判断基準や目安
全体のボリュームで判断
女性の薄毛の症状は何種類かあります。
FAGA(女性の男性型脱毛症)、瀰漫(びまん)性脱毛症、ストレスからくるものなどが挙げられます。
FAGAは体内のホルモンバランスが乱れることで現れる症状、瀰漫性はいつも同じ分け目や髪型をしていることでそこから薄毛になってしまう症状、ストレスからくるものは外部からの刺激によって抜け毛が増える症状だとされています。
このように原因は異なりますが、女性の場合脱毛の症状は全体的に出ることが多いです。
これは脱毛が目立ちにくいメリットでもありますが、自分でも症状の進行に気付きにくいデメリットにもなり得ます。
薄毛対策は早いほど効果が得られるそうなので、自分でボリュームが少なくなってきたなと感じたら薄毛対策を始めましょう。
分け目や生え際を確認
女性に特に多いのが瀰漫(びまん)性脱毛症と呼ばれるもの、出産後の栄養不足による一時的な脱毛症です。
瀰漫性脱毛症とは毎日同じ髪型や分け目にしていると、そこから髪の毛が薄くなる症状のことです。
同じ状態で長時間固定されたままだと、頭皮が固まってしまい血行も悪くなります。
定期的に髪型や分け目を変えるようにすると、瀰漫性脱毛症の予防になります。
仕事などで髪型に指定がある場合は、シャンプーの時間を利用して頭皮マッサージを取りいれるのがおすすめです。
やり方が分からない人は動画サイトで検索すれば、プロの解説付きで方法を知ることができます。
テクニックがなくても簡単に効果が得られる専用の器具も販売されているので、合わせて活用すると良いでしょう。
頭皮マッサージは、産後の一時的な脱毛にも効果があるとされています。
抜け毛の量などをチェック
女性の薄毛症状は徐々に全体のボリュームが少なくなっていくため、目視で確認しづらい難点があります。
そこでおすすめしたいのが、毎日の抜け毛と生え際のチェックです。
シャンプーやヘアスタイリング時に抜け毛の量と生え際の状態を確認することで、薄毛の早期発見につながります。
まとめ
薄毛の基準、目安について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- つむじハゲはつむじの大きさと地肌の色をチェック
- おでこの広さが7cm以上だと薄毛に見える
- 女性は全体的に症状が出ることが多い
骨格や髪の生え方によって個人差があるので、だいたいの目安として参考にすると良いでしょう。
今までより明らかに抜け毛が増えた、頭皮の状態が悪化している、などの症状がある場合はなるべく早めに専門医の診断を受けるようにして下さい。