現在、育毛に効果的な商品は数多く販売されています。その中で育毛剤と育毛シャンプーは、手軽に購入し使用することができるアイテムです。
ここでは育毛剤と育毛シャンプーの役割の違いや使い分け、育毛剤を使っている人がシャンプーを選ぶ際の注意点などについて解説していきます。
育毛剤と育毛シャンプーの役割の違い、使い分け
育毛剤の役割
育毛剤は頭皮と毛根に働きかけて、頭皮改善や育毛、発毛促進をすることが主な役割です。
そのために血行の促進や皮脂分泌の抑制、男性ホルモンの抑制に効果的な成分が配合されています。抜け毛予防や薄毛改善のために使用します。
血行の促進
髪の成長には、毛根部にある毛母細胞へ十分な栄養分を届けることが必要です。そのため、血行の促進は育毛剤でもっとも重要なポイントになります。
血行促進に効果的な成分には、天然成分のオウゴンエキスやセンブリエキス、医薬品成分のミノキシジルなどがあります。
これらの成分の作用で毛母細胞の働きが活性化すると、細胞分裂も活発になり健康な髪が成長します。
皮脂分泌の抑制
皮脂の分泌量が多いと毛穴の詰まりや炎症、雑菌の繁殖などの原因になります。その結果、育毛剤の浸透を阻害したり脂漏性皮膚炎を発症して抜け毛を増やしたりします。
皮脂の分泌量を抑え頭皮環境を整備することは、育毛するために重要です。皮脂の分泌や頭皮の炎症を抑える成分には、グリチルリチン酸ジカリウムやカンゾウなどがあります。
男性は皮脂の分泌量が多くなる傾向にあるため、育毛剤を選ぶ際はこれらの成分が配合されていることを確認するようにします。
男性ホルモンの抑制
男性型脱毛症(AGA)は男性ホルモンの悪玉化が原因で発症します。
悪玉化した男性ホルモンは、ヘアサイクルを乱し抜け毛を増やします。そのため、頭皮での男性ホルモン抑制はAGAの進行を止めるためには重要です。
男性ホルモンを抑制する成分には、天然成分のノコギリヤシやヒオウギエキス、医薬品成分のフィナステリドなどがあります。
フィナステリドは内服するタイプが多く高い効果が期待できますが、副作用も強く出る傾向にあります。
育毛シャンプーの役割
育毛シャンプーは髪と頭皮のよごれを落として清潔にし、頭皮の健康を保つことが役割です。
そのために配合されている洗浄成分や頭皮ケア成分、育毛成分が工夫されています。頭皮環境を整えたり、育毛剤の吸収をサポートしたりするために使用します。
洗浄成分
育毛シャンプーを使用する一番の目的は、頭皮の洗浄です。しかし洗浄力が強すぎると、頭皮が傷ついたり皮脂の分泌を促したりします。
安価なシャンプーに多い高級アルコール系や石油系洗浄成分は、頭皮に強い刺激を与えます。特に敏感肌や乾燥肌のかたは、頭皮トラブルが起きやすくなります。
頭皮にやさしく適度な洗浄力がある洗浄成分はアミノ酸系です。
アミノ酸系洗浄成分は刺激が少ないため、頭皮を健やかに保つことができます。
頭皮ケア成分
頭皮の洗浄ほど役割は大きくありませんが、頭皮ケアも大切です。
頭皮環境が悪いかたは、抗炎症作用や保湿、フケ対策になる成分が配合されているシャンプーがおすすめです。
ひどい炎症が起きている場合は、ケトコナゾール配合シャンプーを使用することで大きな改善が見込めます。アミノ酸系洗浄成分とあわせて使用すると、頭皮ケア効果は高まります。
育毛成分
頭皮の洗浄やケアに加え、育毛も大切な役割です。
ただし育毛や発毛促進は育毛剤が役割の大部分を担っているため、育毛シャンプーでの大きな期待はできません。
育毛剤を使っている人がシャンプーを選ぶ、使う際の注意点
シャンプーを選ぶ際の注意点
育毛剤を使っているかたは、ドラッグストアで売られている安価なシャンプーではなく育毛シャンプーを選ぶことが大切です。
育毛シャンプーは洗浄力がマイルドで頭皮への刺激が少ないため、育毛剤の吸収をサポートします。
一般的なシャンプーの使用は、育毛剤を使っているかたにはおすすめできません。高級アルコール系など、刺激の強い洗浄成分や添加物が配合されているものが多いためです。
また育毛シャンプーには育毛に効果が期待できる成分も配合されているため、育毛や発毛促進の相乗効果も見込めます。
しかしシャンプーの場合は育毛剤とは異なり洗い流すため、成分は吸収されにくいです。そのため、頭皮の洗浄と頭皮環境の改善を重視したシャンプーを選ぶことが必要です。
洗浄成分は刺激の少ないアミノ酸系がおすすめです。また髪をサラサラにして指通りをなめらかにするシリコンや合成香料などの添加物が配合されていない、ノンシリコン無添加シャンプーがおすすめです。
シャンプーを使う際の注意点
シャンプーを使う際に頭皮を傷つけると、頭皮環境が悪化して育毛剤の吸収を妨げたり育毛剤の成分が傷口に入り込み抜け毛を増やしたりする恐れがあります。
また育毛シャンプーの多くは洗浄力のマイルドなアミノ酸系洗浄成分を使用しているため、毛穴の皮脂よごれをしっかり落とすためには洗い方を工夫する必要があります。
シャンプーの前には予洗いを行い、シャンプーの際の洗浄効果を上げます。予洗いはお湯だけで髪と頭皮を洗うことで、これだけでよごれの7割を落とすことができます。
洗う際は毛穴に詰まった皮脂を揉みだすように、マッサージしながら洗います。シャンプーする際も、予洗いと同様に頭皮を揉み込むように洗います。
アミノ酸系洗浄成分は洗浄力が強くないため、マッサージしながら洗うことで脂性肌のかたでもしっかり皮脂よごれを落とすことができます。
タオルドライをする際も頭皮を傷つけないように、こすらずタオルを押し当てて水分を吸収します。
また髪を乾かす際は、ドライヤーを使う必要があります。自然乾燥は雑菌の繁殖の原因となり、頭皮環境が悪化して育毛剤の吸収を阻害する恐れがあるためです。
まとめ
育毛剤と育毛シャンプーの役割の違いや使い分け、育毛剤を使っている人がシャンプーを選ぶ際の注意点などについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 育毛剤は頭皮と毛根に働きかけて、頭皮改善や育毛、発毛促進をすることが主な役割
- 育毛シャンプーは髪と頭皮のよごれを落として清潔にし、頭皮の健康を保つことが役割
- 育毛剤を使っているかたは無添加のアミノ酸系シャンプーを選び、マッサージしながら頭皮を洗うことが大切
育毛剤と育毛シャンプーの役割は異なります。育毛剤は育毛や発毛促進が、育毛シャンプーは頭皮の洗浄が主な役割です。
育毛剤を使用しているかたは、成分の吸収効率を良くするためアミノ酸系洗浄成分が使われた育毛シャンプーを選ぶことが大切です。
そしてマッサージしながらシャンプーすることで頭皮の健康を維持し、育毛に最適な環境を整えることができます。