AGA専門のクリニックに行くのは抵抗がある人は多いと思います。
薄毛に悩んでいる人も、まずは手軽に行える育毛剤から始めてみようと考えると思いますが、病院での治療と育毛剤での対策ではどのような違いがあるのでしょうか。
そこで今回は、AGA治療を病院でするのと育毛剤で対策するのはどちらが良いかについてご紹介したいと思います。
AGAクリニックでの治療と育毛剤をかかる費用で比較
クリニックでの治療
AGA治療の専門クリニックで行われている治療法は、大きく三つに分けられます。
投薬治療
まずは投薬治療からはじめることが多く、プロペシアの1か月あたりの平均価格が7,000円から10,000円程度です。
ジェネリック品を使うと、同レベルの内服薬が2,000円前後で購入できます。
ミノキシジルやザガーロは、10,000円ほどかかる場合が多いです。
頭皮に塗布する外用薬と合わせると20,000円から30,000円ほど必要になります。
注入療法
有効成分を頭皮に注入する注入療法になるとさらに高額で、1回20,000円から150,000円ほどかかります。
自毛植毛
自毛植毛の場合は1,000本植えこむと300,000円から1,000,000円ほどの高額な費用が必要となります。
育毛剤での治療
市販の育毛剤の中でも人気のリアップは、1か月分が60mlで約5,000円から8,000円で販売されています。
ロゲインは60mlで2,500円前後で購入が可能ですが、使用の度に付属のスポイトを使わなければならず少し面倒かもしれません。
このように費用の面だけで見ると育毛剤の方が安く、通院しなくても良い手軽な面が人気です。
しかしAGAは体内のホルモン分泌が原因で起こる症状のため、内服薬と外用薬を併用した方が効果が得られやすいと言われています。
さらに症状が進行していると髪の毛を作る毛母細胞が弱っているため、育毛剤だけでは望むような発毛効果を得られない可能性もあります。
その場合には注入療法や植毛などの、専門外来で受けることができるレベルの高い治療法が有効です。
確かに1か月あたりの治療費は育毛剤の方が安いですが、発毛が実感できた後は維持に切り替えるため、総合的なコストパフォーマンスはAGA専門外来の方が優れている場合もあるようです。
AGA専門外来やクリニックでは高いレベルの治療が試せるだけでなく、手厚いサポートも受けることができます。
丁寧なカウンセリングの下、自分の症状に最適な治療法を受けることができるだけでなく、クリニックによっては効果が出なかった場合の返金システムを導入しているところもあります。
AGAクリニックでの治療と育毛剤を期待される効果で比較
育毛剤での治療
市販の育毛剤でAGA治療を行う利点は、誰でも手軽に薄毛対策がはじめられるところにあります。
近くの薬局やドラッグストア、インターネットでいつでも購入できるため、予約をいれたり予定を調整する必要はありません。
育毛剤に配合されている主な有効成分はセンブリエキス、グリチルリチン酸二カリウム、ジフェンヒドラミンHCなどがあります。
いずれも血行促進効果や抗炎症作用のある成分で、頭皮環境を健やかに整えます。
リアップにはミノキシジルが国内で唯一配合されていますが、こちらも血行を良くする成分です。
もちろん頭皮を清潔にして血流を良くすることは大切ですが、ジヒドロテストステロンの影響により、毛根の奥にある毛母細胞の発毛サイクルの乱れがAGAの原因であるため、体内からのケアも必要です。
育毛剤のみで対処できるのはごく初期のAGAや、頭皮環境の悪化による薄毛だと言えるかもしれません。
症状が出ないうちから予防目的で使ったり、内服薬と合わせて補佐的に使用することをおすすめします。
クリニックでの治療
AGAの専門外来は2005年、日本にも誕生しました。
主な治療法は投薬治療、注入療法、自毛植毛です。
自由診察とはいえ医療行為のため、専門家のアドバイスを受けることができます。
初回来院時には必ずカウンセリングがあり、自分の症状を詳しく知ることができます。
希望する方のために血液検査や遺伝子検査も用意されており、自分でも気付かなかった体質が分かります。
治療にかかる費用は高いかもしれませんが、確実性を求める方や症状が進行している方にはクリニックでの治療がよりおすすめです。
以前は東京、名古屋、大阪などの都市部に集中していたため、地方に住む人のアクセスに問題がありましたが、クリニックが増え受診しやすくなっています。
さらにチャットや専用アプリを使って、オンラインカウンセリングを行なっているところも多くあるため、まずは相談から気軽にできるよう工夫がされています。
AGAクリニックでの治療と育毛剤を副作用、リスクで比較
育毛剤治療のリスク
育毛剤で行うAGA治療は、手軽にはじめられるため人気があります。
その一方でAGAの直接的な原因のジヒドロテストステロンの分泌量は変わらないため、症状によっては効果を得にくいリスクがあります。
AGA治療は早ければ早いほど改善が見込めるため、育毛剤のみの使用で症状が進行した場合は総合的な治療費が高くなるかもしれません。
育毛剤に配合されている成分は、肌に優しいものが多いです。
そのため基本的には副作用がでる可能性は高くありませんが、植物由来の成分が含まれているため、アレルギーを持っている人は注意が必要です。
特にマメ科やお茶にアレルギーがある人が育毛剤を使用すると、頭皮が荒れたりアナフィラキシーショックのような症状がでるかもしれません。
リアップは国内で唯一ミノキシジルが配合されており人気がありますが、頭皮が弱い人が自己判断で使用すると赤く荒れたりかゆみがでるケースがあります。
クリニックのリスク
AGA専門外来やクリニックでは医療行為が受けられるため、より高い効果が得られる場合もあります。
しかし、どんな医薬品にもわずかながら副作用のリスクが存在しています。
5αリダクターゼ酵素の分泌を抑えて、ジヒドロテストステロンの生成を未然に防ぐ作用があるフィナステリドは、男性機能に関する副作用が報告されています。
制欲減退、勃起不全、射精不全、肝機能障害が5%未満の確率で起こるリスクがあります。
また女性が触ったり服用すると、体内に悪影響を及ぼす可能性もあります。
特に妊婦がフィナステリドやデュタステリドが配合された薬品を服用すると、胎児の生殖器発育が健全になされないケースもあるため、家庭内での取り扱いには注意が必要です。
注入療法や自毛植毛も針やメスを使う方法の場合、頭皮に傷が付くかもしれません。
より高い安全性と効果を確保したい人は、症例の多いクリニックで治療を受けるようにすると良いでしょう。
まとめ
AGA治療を病院でするのと育毛剤で対策するのはどちらが良いかについて見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 育毛剤の方が安く、通院しなくても良い手軽な面が人気
- AGA専門外来やクリニックでは高いレベルの治療が試せるだけでなく、手厚いサポートも受けることができる
- 治療にかかる費用は高いが、確実性を求める方や症状が進行している方にはクリニックでの治療がよりおすすめ
育毛剤での対策は、ごく初期の薄毛の場合や、薄毛予防の場合には有効です。
しかし、進行した薄毛に対しては、レベルの高い治療が必要ですので、AGA専門外来やクリニックで治療を行った方が、期間も費用も結果的に安く終わる場合もあります。
育毛剤を使用しても改善が見られない場合には、思い切ってクリニックにカウンセリングに行ってみてはどうでしょうか。