貧血には亜鉛不足のものと鉄分不足のものがあり、どちらも薄毛の原因になります。
ここでは貧血が薄毛の原因になる理由と、女性の貧血と薄毛の関係、貧血が原因の薄毛の改善方法についてご紹介します。
貧血が続くと薄毛になる理由
亜鉛が欠乏している場合
貧血には種類があり、血中の亜鉛濃度が低下して起こる貧血を亜鉛欠乏性貧血と呼びます。
亜鉛は髪の毛や体の細胞を作るために欠かせない栄養素です。
特に髪の毛の原料であるケラチンを合成するために亜鉛は必要不可欠です。
薄毛対策の治療をするための専門クリニックでは、治療の一環として亜鉛のサプリメントを処方するほど効果が見込まれています。
その亜鉛が貧血になるほど不足した状態が続くと薄毛になる可能性が高くなります。
貧血になることが多く、抜け毛が増えてきた人は亜鉛不足かもしれません。
病院で頼めば血液検査をしてくれるので、自分に足りない栄養素を知ることができます。
鉄分が欠乏している場合
貧血の症状としてもっとも多いのが、鉄分欠乏性貧血です。
テレビや映画などで、貧血を改善するためには鉄分が大切だとされているのを見たことがある人も多いでしょう。
血中の鉄分が不足すると、血管の中でヘモグロビン数値が低下します。
そうすると血行が滞ってしまい、体の隅々まで酸素や栄養がとどかなくなります。
当然頭皮にも必要な栄養素が足りなくなり、毛髪や頭皮が弱ってしまいます。
貧血が慢性化すると常に血行が悪い状態になり、抜け毛が増えるのに新しい髪が生えてこない悪循環に陥ります。
貧血でめまいを感じやすい人は、肌の状態に注目しましょう。
肌がくすみがちで、たくさん眠っているはずなのに目の下のクマが取れない人は、鉄分が足りていない可能性が高いです。
加工食品ばかり食べている場合
貧血はダイエット中の人がなりやすいイメージがありますが、そうとは言い切れません。
特に加工食品ばかり食べている人は要注意です。
手軽に食べられるパンやハンバーガーなどには、ほとんど亜鉛が含まれていません。
インスタントラーメンに含まれているリンは、多量に摂りすぎると血液中の拮抗作用により鉄分の吸収を阻害してしまいます。
最悪の場合、鉄分と亜鉛両方が足りなくなってしまいます。
女性の貧血と薄毛の関係
女性は鉄分不足になりやすい
日常的に貧血の症状が出ると答えた女性は全体の10%、約1割に上る研究データもあります。
その大きな原因は毎月の月経にあるとされます。
1日2mlほど出血すると貧血になるとされており、小さじ半分以下の量でも体には大きな影響があります。
そのため日常的に鉄分を多く摂らないと、女性は貧血になりやすいです。
体内の鉄分が足りない状態が続くと、血行を良くするヘモグロビンの割合が低下してしまいます。
そうすると酸素や栄養素が体の隅の毛細血管まで届かなくなります。
その結果、頭皮の栄養も少なくなり、毛髪が弱く細くなって抜け毛が増えてしまい、薄毛の症状が出ます。
さらに頭皮だけでなく脳内にも酸素や栄養が届けられないので、落ち込みやすく疲れやすくなったり、怒りっぽくなります。
鉄分不足は頭皮や精神の健康に多大な影響があります。
妊娠中は特に注意が必要
妊娠中は貧血になりやすい状態が続きます。
2人分の血液を作るために、母体は常に栄養と鉄分不足のリスクがあります。
妊娠中に土壁や氷を食べたくなるケースがありますが、それらの症状は亜鉛や鉄分、ミネラルが不足していることに原因があります。
亜鉛や鉄分が不足した状態が続くと頭皮環境も悪化し、薄毛の症状が出やすい状態になります。
さらに妊娠中は胎児に影響がないように、サプリメントを摂らない女性も多く、貧血になりやすい条件が揃っています。
そのため産後に脱毛に悩む方もたくさんいます。
妊娠中や授乳中に飲めるサプリメントがあるので、偏食や貧血で鉄分不足を感じたら医師に相談しましょう。
過激なダイエットもリスクが高い
若い女性の中には、絶食や置き換え食品を使った不健康なダイエット方法を試す人が多くいます。
医師の指示の元で短期間だけ行う断食は健康効果があるとされていますが、自己判断で始めるのはとても危険です。
たしかに食べる量を減らせば、摂取カロリーも減らせます。
しかし鉄分などの必要な栄養素を摂らないままでいると貧血になりやすくなる、内臓の働きが弱くなって代謝が悪くなり、髪の毛や肌が弱くなり太りやすい体質になります。
タンパク質やミネラルを取り入れることで、薄毛になりづらく健康的に痩せることができます。
貧血からの薄毛を防ぐ、改善する方法
食生活を改善する
貧血は健康を損なうため、髪の毛や肌や爪が弱る原因になります。
特に女性は月経や妊娠、ダイエットなどで貧血になりやすいので、日々の対策が重要です。
貧血になりやすいのにジャンクフードやインスタント食品ばかり食べている人は、特に注意が必要です。
多すぎる動物性脂肪で血行が悪くなったり、添加物の影響で鉄分が排出されやすくなったりします。
その状態が続くと髪の毛が薄くなる脱毛症のリスクが高くなります。
貧血による薄毛を未然に防ぐためには、健康的な食事を自炊するのが理想ですが、忙しくて毎日料理をすることが難しい人も多いでしょう。
外食が多い人でも定食を食べるようにしたり、レバーや海産物などのミネラルが豊富に含まれる食材を足すことで貧血と薄毛が予防できます。
コンビニでもひじきの煮物や切り干し大根、しじみのお味噌汁などを選ぶと効果が得られます。
適度な運動をする
運動不足で血行が悪くなっていると、貧血になりやすいです。
全身に血液を送るための、ポンプの役割をしている筋肉が衰えているのが原因です。
酸素を取り込む有酸素運動が貧血の予防と改善に効果的です。
血流が良くなるため代謝が上がります。
血流改善と代謝アップは薄毛対策にも非常に効果的です。
一駅手前で降りて少し早足で歩いて帰ったり、階段を使うようにするだけでも効果があるそうです。
逆にテニスやバスケットボールなどの激しい運動は貧血の原因にもなるので、無理をしないように注意しましょう。
サプリメントを利用する
貧血の原因である鉄分と亜鉛の欠乏を補うためには、サプリメントを利用するのもおすすめです。
特に亜鉛は髪の毛のケラチンを合成するので、貧血だけでなく薄毛改善に高い効果があります。
鉄分も十分に摂るようにすると血行が良くなり、頭皮の毛細血管も活発になって頭皮と髪の毛が丈夫になります。
これらのサプリメントは薬局やコンビニで数百円から購入できるので、手軽に必要な栄養素の補給ができます。
まとめ
貧血と薄毛について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- 貧血には亜鉛欠乏性のものと鉄欠乏性のものがある
- 女性は月経、妊娠出産などによって貧血になりやすい
- 食生活の改善、適度な運動、サプリメントの利用がおすすめ
亜鉛は薄毛改善にも健康維持にも必要不可欠な栄養素のひとつで、コンビニ食やファストフードの食事が多くなってしまうと欠乏しやすいので特に注意が必要です。
薄毛改善、健康維持のため、適度な運動と栄養バランスの良い食事、そして時にはサプリメントを活用するなど日々の生活の中で鉄分の補給を意識してみて下さい。