タバコが体に様々な影響を与えることはよく知られていますが、薄毛も例外ではありません。
タバコを吸う人は吸わない人に比べて、薄毛になるリスクが大きくなります。
ここでは、タバコが薄毛にどのような影響を与えるのかと、その対策を紹介します。
タバコが薄毛に与える影響
ニコチンによる血管収縮作用
タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。
血管が収縮すると血液の流れが悪くなり、身体の各部位に栄養やエネルギーが届きにくくなります。
髪も頭皮の毛細血管からの栄養で成長しているので、ニコチンを摂取すると髪の成長が鈍化し、薄毛を助長すると言えます。
肝機能の低下による栄養不足
タバコにはニコチンやタールなどの有害物質が多く含まれます。
これらの有害物質は肝臓にて無害な物質に分解されますが、この時、肝臓に大きな負担が掛かってしまいます。
その結果、肝臓がダメージを受けて機能が低下してしまいます。
髪の生成に必要なたんぱく質「ケラチン」は肝臓で合成されているので、肝機能が低下すると髪の成長も鈍化します。
そのため、薄毛対策のためには肝臓を健全な状態に保つことが欠かせません。
男性型脱毛症(AGA)の進行を促進する
喫煙者は、男性型脱毛症のリスクが非喫煙者よりも13%高いことが、アメリカ・ハーバード大学の研究によって明らかになっています。
理由は、タバコに含まれる物質が男性ホルモン「ジヒドロステロン」の分泌を促進するためです。
ジヒドロステロンは男性型脱毛症の原因として知られており、髪の成長を阻害する働きを持ちます。
体内のビタミンを破壊する
ビタミンB群やビタミンEは、髪の成長に必要不可欠な物質です。
しかし、タバコに含まれるニコチンは体内のビタミンを破壊する作用を持っています。
結果、髪が栄養不足となって痩せ細り、抜け落ちてしまいます。
タバコによる薄毛の対策方法
タバコによる薄毛の進行を抑えるためには、タバコを止めることが一番の方法です。
タバコには血管収縮作用と髪に必要な栄養素の生成・吸収を阻害する作用があるので、育毛剤や食べ物などでどれだけ薄毛対策を取っていても、その効果は半減してしまいます。
タバコを止めるには強い意志が必要ですが、薄毛になるか、タバコを止めるか、将来的にどちらがより辛いことになるかは明白です。
薄毛の進行を止めたいのであれば、タバコは絶対に吸わないようにしましょう。
アイコスは薄毛にならない?
アイコスにも薄毛のリスクはある
喫煙者の間で流行している電子タバコ「アイコス」は、ニコチンやタールなどの有害物質の摂取量が通常のタバコよりも少ないことが特徴です。
副流煙もなく、連続して何本も吸うことができないように設計されているので、タバコよりもガンや動脈硬化などの健康被害が少ないこともメリットと言えます。
それでは、薄毛への影響も少ないと言えるのでしょうか。
残念ですが、アイコスでも薄毛になるリスクは充分にあります。
アイコスは通常のタバコよりも有害物質の量が少ない分、薄毛になるリスクは低いと考えられますが、有害物質が含まれている以上、薄毛への影響は否定できないのです。
せっかく薄毛対策をしていても、アイコスを吸っていると効果が半減してしまう可能性もあるので、薄毛治療中のアイコスの使用は控えた方が良いでしょう。
アイコスを吸うことによる髪への影響
アイコスを吸うことによる髪への影響には、以下のようなものがあります。
ニコチンによる血管収縮作用
ニコチンを摂取すると血管が収縮します。そうすると血流が悪くなり、頭皮に栄養が届きにくくなります。
髪の毛は血液で運ばれた栄養を元にして作られているので、血流が悪くなると髪の成長が阻害されます。
肝機能の低下
アイコスに含まれる有害物質は、肝臓の機能によって無害な物質へと分解されます。
しかし、有害物質を分解した肝臓はダメージを受けてしまい、機能が低下してしまいます。
肝臓では髪に必要なたんぱく質「ケラチン」の合成が行われていますが、肝機能が低下するとケラチンの合成量も減少します。
その結果、髪の成長が止まり、薄毛につながります。
ビタミンを破壊する
髪の成長にはビタミンB群やビタミンEが必要不可欠ですが、アイコスに含まれるニコチンやシアン化水素にはそれらの栄養素を変質させる作用があります。
この作用によって体内のビタミンが減少し、髪に充分な量が供給されなくなります。
AGAを促進する可能性がある
タバコにはAGAを促進する作用があることがわかっています。
したがって、タバコと同様の成分で作られているアイコスも、同様の作用を持つ可能性があります。
AGAは一度発症すると自然治癒が困難な薄毛です。AGAの進行リスクを減らしたいのであれば、アイコスは吸わない方が良いでしょう。
まとめ
タバコが薄毛に与える影響と対策について見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- タバコは薄毛に様々な影響を与える
- 薄毛を抑えるにはタバコを止めるのが一番である
- アイコスでも薄毛になるリスクはある
タバコに含まれる有害物質は、様々な影響を与えます。
せっかく薄毛対策をしていても、タバコを吸ってしまっては効果が半減してしまいます。
また有害物質が少ないアイコスであっても、薄毛対策のためには止めることが一番です。
薄毛の進行を止めたいのならば、強い意思を持って禁煙に取り組みましょう。