ビタミンCは美容に重要なイメージがありますが、薄毛にも効果があります。
ここではビタミンCの薄毛への効果と、副作用や過剰摂取時のリスクについても見ていきたいと思います。
ビタミンCが薄毛に効果的と言われる理由
ビタミンCは私たちの体にとってなくてはならない栄養素です。
美容にも良い栄養素として知られるビタミンCですが、実は薄毛にも効果があることが分かっています。
コラーゲンの生成を促す
まずビタミンCの効果のひとつにコラーゲン生成の補助があります。
コラーゲンは髪の毛を成長させるために必要な毛包幹細胞を守るために必要な物質です。
これは、体内で合成することができるのですが、年齢の増加や生活習慣の悪化に伴って生成量が減少します。
また、コラーゲンは直接塗ったり食事によって摂取したりしてもあまり効果を期待することができません。そこで役に立つのがビタミンCです。
ビタミンCで体内のコラーゲン生成を促すことができれば、毛包幹細胞をしっかりと保護できるようになり、結果として薄毛の予防や改善につながります。
抗酸化作用で血管の老化を防ぐ
ビタミンCには抗酸化作用があります。
身近な所では、食品が腐らないよう添加物としてビタミンCが含まれていますが、私たちの体にも同じことが言えます。
ビタミンCは血管の老化を防ぐ役割があり、体内の血液循環を促す作用があります。
髪の毛の成長には毛細血管から栄養の含まれた血液を受け取る必要がありますが、血管が劣化してしまうとこれがうまくいかなくなり、薄毛になってしまいます。
ビタミンCで老化を防ぐことができれば、薄毛になりにくい頭皮環境を作ることができます。
ストレスを和らげる
さらにビタミンCにはストレスを緩和する作用があります。
ストレスは薄毛を招く原因のひとつとして知られています。ストレスによってホルモンバランスが乱れると、皮脂の分泌量が変化し、頭皮環境を悪化させてしまいます。
また、ストレスを溜め込みすぎると血行不良を引き起こし、これも薄毛の原因になります。
間接的ではありますが、ストレスを緩和する方法としてビタミンCは活用することができ、薄毛の予防に一役買っています。
ここまでビタミンCの効果を説明しましたが、ビタミンCは水溶性ビタミンですので、過剰摂取しても尿と一緒に排出されるだけです。
人には1日あたりに必要なビタミンCが限られていますので、あくまで必要量の摂取にとどめるようにしましょう。
ビタミンCの副作用と過剰摂取した時のリスク
薄毛に効果があるビタミンCは水溶性ですので、過剰摂取分は尿と一緒に放出され、身体に影響はないと考えられていました。
しかし、どんな栄養素も過剰摂取を行うと副作用があります。ビタミンCも同様に過剰摂取を行うことで身体に悪い症状が起こります。
過剰摂取による下痢
まずビタミンCの過剰摂取による起こる代表的な症状に下痢があります。この症状はビタミンCを1,000mg以上摂取すると起こる可能性があります。
しかし、これはあくまで1度の食事で摂取したビタミンCの量です。1食あたりの摂取量が1,000mgに満たなければ、尿として放出することができるため、身体に悪影響は出にくいです。
過剰摂取による吐き気
次にビタミンCを2,000mg以上摂取すると吐き気をもよおすことがあります。
特に空腹時にビタミンCを過剰摂取することで発生しやすいため、ビタミンCだけを摂取するようなことはしないようにしましょう。これはサプリメントを服用している人に現れやすい症状です。
尿路結石や腎機能障害を起こす危険性も
重篤な症状になると、尿路結石や腎機能障害を引き起こす危険性があります。
尿路結石に関しては、あくまでシュウ酸塩の濃度が高い人など一部の人に限るもので、健康な人がビタミンCによって発症することはありません。
しかし、腎機能障害についてはビタミンCの過剰摂取で発症リスクが高まる結果が確認されています。
鉄分の過剰蓄積
さらにビタミンCの作用として鉄分の吸収を助ける働きがあります。
鉄分は貧血の予防に必要不可欠ですが、過剰に蓄積すると胃腸の機能障害や血色素症と呼ばれる病気を発症することがあります。
健康な人なら鉄分の過剰蓄積は起こりませんが、鉄分の蓄積が起こりやすい人は、ビタミンCの過剰摂取に気を付けるようにしましょう。
サプリメントでの過剰摂取に注意
1食で1,000mgを超えるビタミンCの摂取は、通常の食事では非常に難しいですが、サプリメントを併用することで一部の人は1,000mgを超える可能性があります。
少ないながらも多くの食品にビタミンCが含まれていますので、サプリを服用する際は、普段の食事から摂るビタミンCの量を考えるようにしましょう。
薄毛対策でビタミンCを摂取する方法とサプリ
ビタミンCは食事やサプリメントなど、様々な方法で摂取することができます。
まずビタミンCの1日に必要な摂取量は85mgで、推奨される摂取量は100mgです。これを踏まえてビタミンCを効率よく摂取する必要があります。
ビタミンCは多くの食品に含まれていますが、食事ですべてを補おうとすると含有量の多い食品を選択しなければなりません。
ビタミンC含有量の多い食品
例えば、野菜なら赤ピーマンは140mg/1個、ゴーヤは145mg/1個、ブロッコリーは90mg/1個のビタミンCが含まれます。
これらの野菜は、1個丸々食べるのが難しいですが、3食に分けることで1日のビタミンCのほとんどを摂取することができます。
また、ビタミンCは果物にもたくさん含まれます。
中でもキウイ(120mg/1個)、アセロラ(100mg/1個)、ゆず(60mg/1個)はビタミンCが豊富に含まれていますのでおすすめです。
一方でビタミンCの代表格と思われているレモンは18mg/1個と非常に少ないです。
一度に摂取せず3食に分けてバランスよく摂取する
ビタミンCを食事で摂取する場合は、一度に過剰のビタミンCを摂取しないようにしましょう。一度に摂取すると身体に悪影響を及ぼす危険性がありますので、3食に分けてバランスよく摂取することが大切です。
また、ビタミンCは食事で摂取することが理想ですが、中には食事だけでビタミンCの必要量を摂取しきれない人もいます。
そのような場合は、サプリメントで栄養バランスを整えましょう。サプリメントは亜鉛やミネラルなど、発毛に良いとされる栄養素も摂取できる他、ビタミンCの吸収効率を上げることができます。
注射でビタミンCを摂取する方法もある
さらにビタミンCの摂取法として、注射をする方法があります。
ビタミンCは薄毛の治療にも使われていて、直接静脈や頭皮に注射することで血中のビタミンC濃度を上昇させ、健康な髪を作る働きがあります。
経口摂取では体内のビタミンC濃度を上昇させるのに限りがありますので、即効性を求める場合は、注射によるビタミンCの補給も効率の良い方法のひとつです。
まとめ
ビタミンCの薄毛への効果と過剰摂取によるリスクについて見てきました。内容をまとめると以下のようになります。
- ビタミンCは薄毛対策にさまざまな効果が期待できる。
- 過剰に摂取すると悪影響なので注意する。
- 食品のほか、サプリや注射で摂取できる。
外食などが続くと不足しがちなビタミンCですが、薄毛にも効果があり、ストレス緩和など現代人には特に必要不可欠な成分です。
食事で補うのが難しい場合はサプリメントを利用してしっかり摂取しましょう。くれぐれも過剰摂取には注意してください。